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ギャンブル依存 進む支援 茨城県内推計4万人超 「まず相談を」

セミナーでギャンブル依存の経験について語る当事者=水戸市内
セミナーでギャンブル依存の経験について語る当事者=水戸市内


賭け事にのめり込み、日常生活に支障を来す「ギャンブル依存」。茨城県内で依存症が疑われる人は推計4万人超とされ、相談や回復支援プログラムの実施など、県や民間団体によるサポート体制の構築が進む。一方で、ギャンブル依存に対する社会の偏見は根強く、身内で問題を抱えがちになるとの指摘もある。県は当事者や家族に向け、「まずは相談を」と呼びかける。

県はギャンブル依存症等相談拠点機関として、県精神保健福祉センター(同県水戸市)を設定している。電話やメール、面接による相談を受け付け、当事者や家族などから2022年度は236件、23年度は252件が寄せられた。

同センターは当事者への回復支援プログラムも実施。どのような状況でギャンブルがしたくなるかを分析し、対処法を学んでもらう。専門医療機関である県立こころの医療センター(同県笠間市)を紹介するほか、家族の会、依存症問題を考える会といった支援組織や自助グループなどにもつないでいる。

■潜在化も

同依存症はギャンブルへの衝動をコントロールできなくなる精神疾患とされる。多重債務や家庭内の不和など、日常生活に大きな支障が出ることもある。

20年度の国の調査研究事業では、全国8千人超の一般住民(18~74歳)のうち同依存症の疑いがある人は2.2%。これに基づく県の推計では、県内で約4万3500人が悩みを抱えていることになる。

潜在化するケースもあり、NPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会」は周囲の偏見が影響し、当事者や家族が声を上げにくく、「問題を身内で抱えがち」と指摘する。

■家族の会

県内に組織がある家族の会でも、仲間同士による不安や悩みの共有、家族の負担軽減、当事者との関わり方に関して助言などを行っている。家族が借金を肩代わりするなど「共依存の関係」に陥ることも多く、当事者に加え家族支援にも注力する。

水戸市内で今月開かれたセミナーでは、県内の30代男性が競馬からオンラインカジノにのめり込み、借金返済のやりくりができなくなった経験を告白。結婚や子どもの誕生といった転機のたびに「やめられると思ったが、やめられなかった」などと語った。

現在は自助グループなどに通い、ギャンブルを断つ努力を続けているという。

セミナーで県立こころの医療センターの小松崎智恵医師は、依存症は「脳の病気」と指摘。国の調査研究事業で、ギャンブル依存は「本人の責任」と考える人の割合が70%超だったことに触れ、偏見に対し「性格や意志の弱さの問題ではない」と強調した。

依存から抜け出すための一歩として、県障害福祉課の担当者は「さまざまな窓口があるので、まずは相談してほしい」と呼びかける。



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