茨城県、12億2300万円補正案 防災強化、議会提出へ
茨城県は6月の県議会第2回定例会に、12億2300万円を増額する2024年度一般会計補正予算案を提出する方針を固めた。防災・減災対策を強化するほか、人口減少に備えた業務効率化や誘客促進、事業構造の転換を促すための支援策を盛り込む。21日、主要会派への事前説明で明らかになった。
補正予算案では、防災・減災対策に4億8800万円を充てる。病院や社会福祉施設に太陽光発電設備などの再生可能エネルギー導入を促し、災害発生時の機能維持を後押しするほか、医療機関へのスプリンクラー設置を補助する。旧耐震基準の木造住宅に対し、耐震診断を促す経費補助も盛り込んだ。
人口減少や人手不足に対しては、事業構造の転換を促すための対策を後押し。物流の停滞が懸念される「2024年問題」に対し、貨物運送や乗り合いバス事業者によるデジタルトランスフォーメーション(DX)などを生かした業務効率化に5千万円を充てる。
インバウンド(訪日客)誘客策では、茨城県の強みでもあるゴルフツーリズムやプロモーションの推進などに2億5千万円を計上し、観光事業者を支える。また「花絶景」をテーマに、四季の花を国内外にアピールする観光戦略に1億円を充てる。
このほか、積極的な賃上げに取り組む事業者には、国の助成金に上乗せした補助金を出す方針。霞ケ浦や北浦の漁業者に対する新たな収入源確保に向け、漁法の多角化などの構造改革も進める。