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「がむしゃ」来月閉店 茨城・つくばのスタミナラーメン 人気の味、ファン惜しむ

スタミナラーメンを提供する店主の鈴木輝夫さん=つくば市筑穂の「スタミナラーメン がむしゃ」
スタミナラーメンを提供する店主の鈴木輝夫さん=つくば市筑穂の「スタミナラーメン がむしゃ」


茨城県つくば市筑穂1丁目の人気ラーメン店「スタミナラーメン がむしゃ」が6月いっぱいで閉店する。同県水戸市のスタミナラーメン総本家「松五郎」の直系店として2005年3月にオープンし、多くのラーメンファンの胃袋を満たしてきた。閉店の理由は店主の鈴木輝夫さん(47)の体調不良。SNS(交流サイト)で閉店告知を掲示して以降、最後の味を求めて連日長蛇の列ができている。

キャベツやカボチャ、レバーなど具材がたっぷり入ったあんが麺の上にのっている。スタミナラーメンはいわずと知れた茨城県民の「ソウルフード」。とろっと麺に絡んだ甘辛いあんがうまさを生む。

鈴木さんは同県石岡市出身で、松五郎での4年間の修業を経て、28歳の時に現在の場所に独立出店した。当時スタミナラーメンはまだ、「水戸のご当地グルメ」という存在。「がむしゃらに働き、スタミナラーメンを茨城全体に広げる」。そんな決意で「がむしゃ」と店名を付けた。

店を構えたのは、つくばエクスプレスの開業年。当時からラーメン激戦区だったつくば市は、開業を境に競争に拍車がかかった。だが、県南地区で珍しいスタミナラーメンが注目を集めるのに時間はかからなかった。

12年、全国の有名店が集う「東京ラーメンショー」に出展。これを機に、テレビや雑誌に取り上げられ、一気に人気に火が付いた。客席はいつも開店と同時に満席。栃木や埼玉、千葉など関東近県からも客が押し寄せ、「茨城スタミナラーメン」の人気を不動のものにした。

営業は週6日。魚介でだしを取ったスープにあんが溶け込むスタミナラーメンと、冷たい麺に熱々のあんがかかったスタミナ冷やしが店の看板メニュー。松五郎からのれん分けして現在営業しているのは「がむしゃ」だけだ。

だが、「がむしゃら」に働き続けた体は悲鳴を上げた。異変を感じたのは昨年11月。「長時間立ちっぱなしで腰と背中を痛めた。調子が悪い時は手鍋を振るたびに痛みが走る」。病院や整骨院に通ってみたものの、症状は治らず、体調が悪く営業もままならなかった。

「これ以上、お客さんにご心配、ご迷惑をかけられない」。3月下旬、のれんを下ろすことをX(旧ツイッター)で報告すると、わずか1日で驚くほどの反応があった。

現在は昼間だけの営業でラーメンを提供する。毎日開店前から長蛇の列。常連客からは「がむしゃのラーメンが食べられなくなるのは寂しい」と惜しむ声が相次いでいる。

「19年間続けられたのもファンあってこそ」と鈴木さん。「閉店までの残り期間、一杯一杯、心を込めたスタミナラーメンを全力で作りたい」と厨房(ちゅうぼう)に立っている。



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