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茨城・神栖市 スポーツ合宿 海外チーム誘致に力 閑散期の需要喚起図る

昨年度、神栖市内で合宿を開いた中国の少年サッカーチーム(市提供)
昨年度、神栖市内で合宿を開いた中国の少年サッカーチーム(市提供)


スポーツ合宿が盛んな茨城県神栖市は、長期休暇以外の閑散期の需要喚起を図ろうと、海外のスポーツチーム誘致に力を入れる。長期休暇期間が、日本とずれていることに着目。成田国際空港から車で約40分という立地の近さや、宿泊施設が整っている上に100面以上のサッカーコートを有することなどを懸命にアピールしていく。円安効果も期待され、市スポーツツーリズム推進室は「交流人口を増加させたい」としている。

スポーツ合宿は旅館業など地域への経済効果が高いとされ、同市はサッカーを中心に多くの合宿が実施されている。新型コロナウイルスの影響で落ち込んだが、感染症法上の位置付けが5類に移行した後の昨年の夏休みは「小、中、高のチームを中心に8、9割程度戻った」(同室)。

だが、9月などを埋めてきた大学サークル関係の戻りは鈍い。市は昨年度、旅行会社を通じて、学生にアプローチを仕掛けたが、回復にはつながらなかった。同室は「合宿経験を持つ学生が卒業し、ノウハウが受け継がれていない」と分析し、今後の回復見通しも「厳しい」とみている。

そこで、海外スポーツチームの誘致にも焦点を当てる。国によっては日本の長期休み期間とずれがあることや、「日本の文化を学びたい」という需要があることを確認。成田国際空港からの近さをアピールし、円安によるチームの経費負担減の後押しも期待する。

既に昨年度は、中国の少年サッカークラブが7月の12日間と8月の11日間に加え、1月20~31日にも合宿を実施。同室によると、延べ計約1700泊に達し、好評だったため、本年度も7月に来日することが決まっている。

本年度はさらに6月にオーストラリアの複数のサッカー少年チームが新しく合宿開催を決めている。市はこうした動きを定着させようと、市周辺のチームに呼びかけ、来日に合わせた大会開催を誘致。国際交流も仕掛ける。

市は今後、旅行業者などを対象に「スポーツツーリズムにおけるインバウンド誘客戦略業務委託」を実施。市の強みを効果的に広報し、年間8団体以上の誘客を目指す。

同室は「国内外問わず、スポーツ合宿なら神栖と呼ばれるようになり、通年型の合宿地を目指したい」と目標を掲げる。



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