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茨城県中央看護専門校4年制 県内初、26年度から

看護学科を4年制化する県立中央看護専門学校=笠間市鯉淵
看護学科を4年制化する県立中央看護専門学校=笠間市鯉淵


茨城県は24日、県立中央看護専門学校(同県笠間市)の課程を1年延長し、2026年度から4年課程にすると発表した。専門学校による看護学科の4年制化は同県内で初めて。高齢化や医師の働き方改革に伴い高い技術や知識が求められる中、多様な現場に対応できる看護師の養成を図る。准看護師向けに開設していた2年課程は、25年度に廃止する。

同校の看護学科は、3年課程と2年課程を開設。このうち3年課程を26年度の入学生から4年制に移行し、教育充実や就職後の待遇改善、定着率向上を図る。准看護師が正看護師を目指すための2年課程は、24年度の入学を最後に廃止する。県によると、公立専門学校で看護学科を4年課程にするのは全国で4例目。

教育内容を充実することで、看護師の高度人材化を進める。医療現場では医師の働き方改革に伴い、医療行為の一部を看護師へ移管する「タスクシフト」が進む。高齢化に伴う高度医療の進展なども背景に、幅広い知識や実践力の向上を目指す。

4年制導入により、卒業後の資格が大学卒の学士に相当する「高度専門士」となることから、就職後の待遇改善も促す。定着率向上では、理想と現実の差を感じる「リアリティーショック」を軽減するため、臨床現場の実習を増やし、離職防止につなげていく。

日本看護協会が実施した22年度の職員需給状況調査によると、1年目の看護職員離職率は茨城県が13.0%で、全国平均の10.2%を上回る。県医療人材課は「学校での座学が増えていく中でも、しっかり現場での実習時間を確保し離職を抑制させたい」としている。

このほか、准看護師が正看護師を目指す2年課程は、通信制や定時制の入学が多く、全日制への需要は減少している。同校では近年、定員割れが続き、23年は定員40人に対し入学者は10人と低迷しており、20年度以降は定員の半数ほどの状況にある。

同課は人口減少や医師の働き方改革などの課題を踏まえ、「医療現場や社会ニーズの変化に対応できる看護師養成を進める」と話している。



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