豪雨想定し図上訓練 茨城県、情報共有の強化図る
茨城県は線状降水帯の集中豪雨を想定した風水害対応図上訓練を27日、同県水戸市の県庁で行った。市町村や関係機関との情報共有の強化に重点を置き、事前に想定を知らせないブラインド方式で実施。参加者約120人が状況に合わせて対処を判断し、大規模災害への対応能力向上を図った。
訓練は昨年6月の取手市や同9月の県北沿岸3市(日立、高萩、北茨城)を中心とした大雨被害を踏まえ、県内の広範囲で河川氾濫や土砂災害が発生したと想定。県職員のほか自衛隊、水戸地方気象台、消防指令センターなどが参加した。
災害対策本部事務局に情報班や対策班など八つの班を設置。集めた情報を分析し、関係機関と協力して救助隊派遣や避難者支援の手配などに当たった。
関係機関と災害情報を共有するシステムの入力作業を、現場対応に追われる市町村に代わって県職員が行う方法を試した。対策本部の大型モニター前に地図を置き、被災場所や対応などを記したメモを貼り付けて情報の共有化に努めた。
災害対策本部事務局長を務めた山崎剛防災・危機管理部長は「情報処理や支援はスムーズだった」と評価。一方、被害の全体像の把握に課題が残るとして「電子地図を用いた情報共有を検討する」と話した。
このほか保健医療部、福祉部、土木部、企業局の県庁内4部局が同日、図上・実働訓練を行った。土木部は出先機関と連携し、災害現場からのドローンを使った映像送信訓練を実施した。