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「潮来の魅力 広めたい」元ボート部員 娘船頭に あやめまつり 19歳堀井さんデビュー 茨城

娘船頭としてデビューした堀井葉月さん=潮来市あやめの前川
娘船頭としてデビューした堀井葉月さん=潮来市あやめの前川


茨城県潮来市で開催中の「水郷潮来あやめまつり」(6月16日まで)に合わせて運航する「ろ舟遊覧」で今月、同市在住の堀井葉月さん(19)が娘船頭としてデビューした。市立日の出中ボート部時代に全国3位になった実力者で、短期間の練習で船頭試験に合格。オールから櫓(ろ)に持ち替え、「文化財や景色、ろ舟など潮来の魅力を全国に広めたい」と乗船者を出迎えている。

堀井さんは、日の出中ボート部時代の2019年、全日本中学選手権ダブルスカルの部で3位を獲得するなどして活躍する一方、子どもの頃から親しんできたろ舟を見るたびに「ずっと船頭がかっこいいと思っていた」と話す。

憧れの船頭を目指して練習を開始したのは今月10日ごろ。腕の力で櫓を押したり引いたりして操るろ舟は全身を使ってオールを引くボートとは別物。操船技術の習得には通常3カ月を要するとされるが、水郷潮来ろ舟保存会副会長の秋山正和さん(67)が「素質がある」と称賛する操船センスを生かし、10日余りの練習で船頭試験に合格した。

今月26日には、初めて観光客を乗せ、娘船頭としてデビューを果たした。乗客8人を乗せ、「ギッチラ、ギッチラ」と心地よい櫓こぎの音を響かせながら、「8月には潮来祇園祭があり、山車が潮音橋を通過する時が一番盛り上がります」など同市観光も案内。堀井さんのろ舟に乗船した千葉県船橋市、公務員、水野亨浩さん(61)は「優雅で素晴らしい。とても初めてとは思えなかった」と感心した様子で、師匠の秋山さんもまな弟子のデビューに目を細めた。

安定してろ舟を操るには、船内でバランスよく乗客を配置し、風の強さや川の流れなどに気を配ることも必要。初めての船頭を終えた堀井さんは「舟をこぐ櫓は乗せているだけなので外れやすいが、一度も外れなかった」と満足そうな表情を見せた。

娘船頭は21年にデビューした女性2人に次いで10人目で、船頭は計21人となった。

堀井さんは、ヘアメークの資格取得を目指して勉強する傍ら、まつり期間中は定期的に櫓を握る予定だ。将来は「白無垢(むく)姿で嫁入り舟にも乗ってみたい」と目を輝かせる。



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