茨城大、都内にオフィス 6日開設 ベンチャー創出、支援
茨城大は3日、国内最大級のイノベーションセンター「CIC Tokyo」(東京都、虎の門ヒルズビジネスタワー内)に、東京サテライトオフィスを6日に開設すると発表した。同大の研究者らと民間の投資家や経営者との交流を促進し、「同大発ベンチャー」の創出と支援を強化する。
東京サテライトオフィスは広さ約7.7平方メートル。同所には、さまざまな業種の企業約290社が入居。経営者や投資家との活発な交流を生み出せる環境が整っており、新事業の創出や連携の可能性を探る場としての活用が期待される。
同大によると、大学が持つ技術やノウハウを活用したビジネス創出を活性化するためには、特に研究者が経営まで単独で行うのには限界がある点に留意する必要がある。このため、外部の経営人材とのマッチングが重要なポイントとなっている。マッチングによって経営を協力者に任せることができれば、研究者自身は研究活動に専念できる利点がある。
同大は2006年から、同大の研究者らが創業するなどした企業に対し称号「同大発ベンチャー」を授与。同大農学部教授らが起業した植物内生菌を活用する苗の販売などを手がける「エンドファイト」(東京都)=23年認定=など、これまで10件を認定している。サテライトオフィスの開設で、当面は25件程度の起業を目標とするという。
同大研究・産学官連携機構の酒井宗寿准教授は「質を伴った形で着実な大学発ベンチャーの創出・育成を手がけていきたい」と意欲を表した。