「野球しようぜ。」実践 児童で使用ルール グラブ追加購入 茨城町・大戸小
米大リーグ、ドジャースに所属する大谷翔平選手が日本の全小学校に子ども用グラブを寄贈したことをきっかけに、茨城県茨城町大戸の町立大戸小(篠原みち代校長)は児童が休み時間を使ってキャッチボールを楽しんでいる。積極的に野球に取り組めるようグラブを追加し、使用のルールは児童が決めた。大谷選手がグラブに添えた「野球しようぜ。」のメッセージを実践している。
篠原校長によると、昨年11月、大谷選手が日本の全小学校へ寄贈の情報が伝わった頃、当時の5年生から「大戸小にも届きますか」と聞かれたという。5、6年生に対し、「どんなふうに使うのか。ルールとか使う場所とか自分たちで考えてみたら」と投げかけ、さらに「できれば1年生から6年生まで使えるようにしたいね」と付け加えた。
代表委員の児童は各学年の意見を集め、話し合って使用のルール「大谷選手からのグローブの使い方」を作った。「大切に使う」や「職員室に借りに行き、使い終わったら職員室に戻す」「キャッチボールに使う」などと決め、学年やクラスごとに使える曜日と時間を設定した。
寄贈された三つのうち一つは「きれいに取っておきたい」と当時の6年生が希望。メッセージカードを添えてケースに入れ、昇降口に置いている。
寄贈グラブは2個使用することとしたが、体育教諭らが「もっと遊ばせるなら必要ですよね。買っていいですか」と提案。PTAの協力で、オレンジ、黒、濃い茶色を2個ずつ追加し計8個のグラブがそろった。籠に入れて職員室で保管し、1月から使っている。
休み時間を待ちかねた児童はグラブを手に校庭に飛び出し、10メートルほどの間隔を取ってキャッチボールするなど、野球の腕を磨いている。小渡康司教諭(41)は「買い足したことで、交換し合ったり貸したりして、遊びの延長で楽しくできている。野球に興味を持った子はいる」と児童を見守っている。
6年生の雨谷友乃さん(11)は「大谷選手のグローブは柔らかい。友達と投げたり上手にキャッチして楽しみたい」と話し、相手の胸をめがけて切れのあるボールを投げ込んでいた小久保優里さん(11)は「コントロールが難しい。大谷選手は有名で、かっこいい。みんなで仲良く楽しくキャッチボールをしていきたい」と笑顔を見せた。