茨城県内彫刻家7人が意欲作 人物や抽象 自由継承、50回の節目 水戸で作品展
美術団体などで活躍する茨城県内彫刻家の作品を集めた「MITO彫刻展」が、同県水戸市泉町3丁目のアートセンタータキタで開かれている。前身の「彫塑作家展」から数えて、50回の節目を迎えた今展。自由な発想で表現された人物や抽象などの意欲作を23点を並べている。30日まで。
MITO彫刻展の前身となる彫塑作家展は1971年、茨城大名誉教授の山崎猛氏(30~98年)、二科会で活躍した小鹿尚久(たかひさ)氏(22~2011年)ら7人で始まった。
当初のメンバーの一人で現在も出品を続ける同県石岡市の六﨑敏光さん(85)は、単純化したフォルムの人体彫刻で知られる。50年以上も続く本展を振り返り、「ブロンズやテラコッタなど素材にこだわらず、自由に表現する精神が継承されている」と話す。
今展では、50代から80代まで六﨑さんを含む7人が出品している。
水戸市の北沢努さん(57)は、木の枝に人間の手足のような石こう製のパーツを接合した作品4点を出品した。「森に棲む2024-5」と題した作品は、野趣にあふれ、どこか怪獣の下半身にも見える。
同市の村山悦子さん(67)は女性像4点を出品。テラコッタによる作品「夏の終わり」は昨年の県芸術祭で大観賞に輝いた。白い着衣が、少女の持つ健康的な肢体を際立たせている。村山さんは「出品者全員、次の60回へ向け意欲にあふれている。彫刻の面白さをさらに発信していければ」と抱負を語った。
このほか、小張隆男さん(土浦市)、小宅淑子さん(那珂市)、森山元國さん(水戸市)、鈴木しのぶさん(同)が出品している。