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通信制高 最多2万5000人超 コロナ禍で増加 茨城県連絡協11校

新入生が増加傾向にある通信制の水戸平成学園高=水戸市根本
新入生が増加傾向にある通信制の水戸平成学園高=水戸市根本


茨城県通信制高等学校等連絡協議会に加盟する11校の2023年度末の在籍生徒は2万5400人となり、過去最多に上ったことが24日、分かった。コロナ禍を機に全国的に増加した不登校生徒の受け皿になったことに加え、通信制の認知度向上や理解が進み、県内でも進学者が増える傾向にある。

県教委によると、県内の通信制高は県立校や県認可私立校、市町管轄校、県外認可校などがあり、私立校が大半を占める。24年度にも県認可の私立校1校が新設された。

同協議会の在籍生徒2万5400人のうち、県内出身者は前年度比550人増の3751人。23年度の新入生は750人、転編入は1008人でともに過去最多に上った。

通信制は生徒の自由度が高い点を踏まえ、同協議会の五反田章英事務局長は「アルバイトやスポーツなど、自分が打ち込みたいことと学業を両立させるため、あえて通信制を選ぶ『積極的入学』も増えている」と話す。

県教委が公表した23年度の県内中学卒業者の進路状況によると、2万5067人のうち、県内外の通信制高に進学したのは1272人で過去最多だった。直近5年間は進学者数、進学率ともに年々増加している。

県立でただ一つ、通信課程を設置する水戸南高の在籍者は、私立校の増加などに伴って22年度まで減少傾向にあったが、23年度には増加に転じた。

同協議会加盟校の水戸平成学園高(同県水戸市)でも、4月の新入生は22年が80人、23年が85人、24年が94人と年々増加。同校は登校するペースを個々に設定し、学校や自宅など学習場所を自由に選んでレポートを提出するなどして単位を取得する。

同校2年のグリーン空舞依さん(16)は「好きな場所で自分のペースで無理せず学べる」と選択の理由を挙げ、「とても楽しい」と語った。

通信制高への進学者が増える背景について、茨城大大学院の打越正貴教育学研究科教授は「コロナ禍の影響が大きいのではないか」と推測する。不登校の生徒が全国的に増えたほか、IT関連の環境整備が進んだことを挙げ、「通信制高に対する認知度が向上したことも、要因の一つと考えられる」と選択肢の広がりを指摘した。



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