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茨城・神栖の雨水、海に放出 幹線整備 道路冠水を軽減

神栖市 雨水幹線
神栖市 雨水幹線
鹿島港に接続している雨水幹線の放流渠(神栖市提供)
鹿島港に接続している雨水幹線の放流渠(神栖市提供)


茨城県神栖市中心部で着工から約11年間にわたり進められてきた雨水幹線整備工事が完成し、28日から全線で供用開始される。同市中心部はこれまで大雨のたびに道路に水があふれ、周辺住民らが通行止めなどに悩まされてきた。工事では排水先を常陸利根川から鹿島港北航路に変更。海へ直接放出するため、近年相次いでいる激しい雨にも対応できる設計という。

雨水幹線は降雨時に側溝などを流れる雨水を集め、河川や海などへ排出するための設備。

同市が進めていた工事は、中心市街地から北航路までの約5キロ区間の地下7~10メートルに、最大で直径3メートルの排水管渠(かんきょ)を敷設するもの。整備費は総額約70億円で、うち約26億円は国庫補助金が充てられた。市によると、新たな雨水幹線は1時間当たり約50ミリの非常に激しい雨も排水できる設計にしたという。

同市の神栖や平泉東、木崎など中心部は平たんな地形のため、これまで雨水排出先となっていた常陸利根川の水位が降雨で上昇すると排水が難しくなり、浸水被害が起きやすい状況が長年続いていた。2014年6月に1時間雨量26.5ミリを観測した際は、平泉東地区の市道が約4時間にわたり通行止めが続くなど、中心部の各地で冠水が頻発。市民から排水設備の整備を急ぐよう求める声が市に寄せられていた。

市は13年度以降、道路冠水などの被害軽減に向け、上流に当たる平泉東地区から整備に着手。17年度には道路冠水が相次いでいた木崎と平泉東の2地区の雨水を県管理の雨水幹線へつなぐなど、一部区間で暫定供用を開始した。その結果、両地区周辺で道路冠水などの被害軽減が確認されたという。

全線での供用開始後は、各地区から集められた雨水が鹿島港北航路へ直接排水される。暫定供用時に比べ多くの雨水が排出可能になることから、市は線状降水帯が発生した場合など「大雨時の被害軽減がこれまで以上に期待できる」としている。

市は今後、既に敷設された市道側溝と雨水幹線との接続箇所を増やし、排水機能のさらなる向上に取り組む方針。



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