次の記事:土浦の風俗店を一斉摘発 茨城県警 悪質客引き、組織売春か 

ロマンス詐欺 急増 茨城県内1~5月、被害1億4100万円 40代が半数超 SNSで完結、特定困難

ロマンス詐欺被害者の年代別割合
ロマンス詐欺被害者の年代別割合
SNSを通したロマンス詐欺が増加している(イメージ)
SNSを通したロマンス詐欺が増加している(イメージ)


恋愛感情を抱かせて現金などをだまし取る「ロマンス詐欺」の被害が急増している。茨城県内で1~5月に判明した被害は20件で、被害総額は前年同期に比べほぼ倍増の約1億4100万円。被害者の半数超が40代だった。交流サイト(SNS)でやりとりが完結する犯罪のため、犯人の特定は難しいのが実情という。

県警などによると、ロマンス詐欺はSNSなどでやりとりして恋愛感情を抱かせた後、投資話を持ちかけたり、結婚資金や生活費を理由に援助を求めたりして金銭をだまし取る手口だ。

今年1~5月に被害に遭ったのは男性11人、女性9人。20人のうち40代が11人だった。男性は20~70代と幅広い年代で被害が確認された。

比較的資産のある独身が狙われやすいとみられ、5月には同県常総市の40代男性が約2000万円をだまし取られた。県南地域の60代男性は、マッチングアプリで知り合った女性に、SNSで「早く結婚して一緒になりたい」と言われたが、その後「母が結婚資金が足りないと(結婚に)反対している」などと言われて投資話を持ちかけられ、800万円余りをだまし取られた。

被害者の中には既婚者もおり、捜査関係者は「周囲に知られたくないとの思いから泣き寝入りする被害者も多いだろう。認知数は氷山の一角」と話した。

被害の低年齢化も進み、6月には県西地域の10代男性がマッチングアプリで知り合った女性に20万円分の電子マネー利用権をだまし取られた。

被害があった20件のうち、犯人が名乗った国籍は日本が7人、東南アジアとアジアがそれぞれ3人。最初に接触したSNSはマッチングアプリが最多で6人、フェイスブックやインスタグラムがそれぞれ3人だった。

警察庁によると、全国で今年1~4月に認知したロマンス詐欺832件のうち、摘発は5人にとどまる。捜査関係者は「一度も顔を合わせずに被害に遭うので、痕跡をたどるのが困難。まるで空中戦だ」と苦渋の表情を浮かべる。

県警は「SNS絡みの投資話はほぼ詐欺。会ったことのない相手にお金を要求されたら詐欺を疑ってほしい」(ニセ電話詐欺対策室)と注意を呼びかけている。



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース