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「咸亨酒店」1日開店 茨城・常陸太田 醤油蔵を改修 中国・紹興市の雰囲気演出

ヨネビシ醤油のドーム型の蔵を改修した咸亨酒店=常陸太田市内堀町
ヨネビシ醤油のドーム型の蔵を改修した咸亨酒店=常陸太田市内堀町


紹興酒のふるさと中国・浙江省に清朝時代(1894~1896年)に実在した店「咸亨酒店(かんきょうしゅてん)」が1日、茨城県常陸太田市内堀町の「ヨネビシ醤油(しょうゆ)」(高和進社長)の蔵を改装してオープンする。同市内でそば店を経営する小川宣夫(のぶお)さんがプロデュースし、食を通して地域住民が交流し、将来的には観光資源に結び付け、地域の活性化を目指している。

咸亨酒店は、中国の小説家で翻訳家、思想家の魯迅ら多くの文化人に愛された店という。中国の咸亨酒店の許可を得て、約25年前に東京・神田神保町にオープンした日本の咸亨酒店が建物の老朽化などで閉店し、同店の大きな看板や店内の椅子、テーブルなどを移して常陸太田市内で開くことになった。

ヨネビシ醤油は、1800年創業の老舗の醤油蔵元。1993年に建てられた敷地内にある鉄骨造りドーム型の蔵約93平方メートルの3分の1ほどを改修し、絵や書、つぼなどを配置して中国の雰囲気を感じさせる店舗にした。入り口には大きなのれんを掲げ、咸亨酒店がある古都・紹興市の街並みを連想させる柳の木も植樹した。

小川さんは「買い物やご飯を食べる所にも不自由になりつつある地域に、できるだけ安く提供するご飯屋さんをつくりたいと思っていた」と思いを語る。咸亨酒店について「紹興市は同店が開店したことで周囲にホテルや土産物店などができるまでになった。雰囲気が似ている常陸太田の旧市街地のにぎわいの創出につながれば」と期待を込める。

食材は茨城県産品を使用。食事は単品でも、「スープ+飯+菜」という組み合わせでも注文できる。メニューにはスープ代わりに「蒸卵湯(中華風茶わん蒸し)」(300円)や「小麺(小さいルーローメン)」(400円)。飯では「中国薬膳粥(ピータン・フニュー・ワンピ付き)」(650円)、「卵飯(平飼い鶏の卵かけご飯 郷土菜・醤(おさい)付き)」(500円)-などが並ぶ。

ヨネビシ醤油の石川克彦さんは「上海家庭料理とおかゆ、紹興酒の店。神田神保町にあった店の味と、中国の雰囲気を味わってもらえれば」と話す。

営業時間は午前11時~午後2時と午後4~7時。開店日を除いて月曜日定休。



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