次の記事:ラーメン店経営のメイホウ商事 破産手続き開始決定 負債1億1600万円

JR常陸多賀駅 駅舎改築、自由通路設置 28年度供用目標 茨城・日立市

グランドデザインに描かれた常陸多賀駅周辺地区の将来像(左上がいわき方面、右下が水戸方面)
グランドデザインに描かれた常陸多賀駅周辺地区の将来像(左上がいわき方面、右下が水戸方面)


茨城県日立市は1日までに、JR常陸多賀駅の周辺整備に向けて、まちづくりのグランドデザインを策定した。老朽化した駅舎の改築するとともに、東西市街地を結ぶ自由通路を新設し、2028年度末の供用開始を目指す。新たに東口の交通広場とアクセス道路も整備。西口は買い物環境などを充実させ、にぎわい創出や利便性向上につなげる。

市内にあるJR常磐線5駅のうち、常陸多賀駅を除く4駅はすでに橋上化や地下方式で改築されており、今回が市内最後の駅舎整備となる。

同市多賀地区には支所別で市内最多の6万人近くが暮らしており、再開発によって都市拠点や交通結節点としての機能強化を図るのが狙い。グランドデザインはおおむね10年先の将来像を描き、用地の活用方針や各エリアに導入する機能の方向性をまとめた。

現在の駅舎は1955年に完成し、改築は約70年ぶり。現在は改札が西側にしかなく、東側へ行くには跨(こ)線橋を渡る必要がある。線路を境に東西の市街地が分断され、西口に集中している交通混雑の緩和なども課題だった。

市は昨年8月にJR水戸支社と基本協定を締結し、駅舎と自由通路については本年度中に基本設計をまとめる。2026年度中に着工し、28年度末の完成を予定している。併せて駅構内には、不足していた待合所のほか、カフェや飲食店などの誘致も図る。

未整備となっている東口では、日立グローバルライフソリューションズが所有する約1.5ヘクタールの土地(三角地)を本年度中に取得する。西口に集中している交通を分散させるため新たに東口広場を整備し、緑地機能を持たせた多目的広場も新設する。

東口広場に通じる片側1車線の南北アクセス道路も優先的に整備する。同広場北側の北アクセス道路は一部高架とし、線路をまたいで駅西側の下孫鹿島神社付近で大学通りに接続する。昨年12月に都市計画決定し、3月に県から事業認可を受けた。

同駅には18年から、旧日立電鉄線の線路跡を活用したバス高速輸送システム「ひたちBRT」が乗り入れている。新たに整備する南北アクセス道路は、将来的にBRTの第3期ルート(同駅-日立駅方面)の運行経路としての役割も想定している。

西口は「駅とまちをつなぐ公共公益空間」と位置付け、にぎわい創出を図る。北側の市有駐車場を活用し、スーパーなどの店舗や図書・学習機能、若者やまちづくり支援機能などを備えた複合施設を計画。駅南側も商店街との回遊性を重視した造りとする。

市は「人口減少下でも駅周辺は都市の拠点としてにぎわい創出や交流拡大などの役割が期待されている」としている。



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース