海洋高生 マグロ水揚げ 実習船で漁獲、茨城県内販売へ 大洗
茨城県立海洋高(同県ひたちなか市和田町、岡田浩校長)の海洋技術科の3年生が4日、同県大洗町港中央の茨城港大洗港区第4埠頭(ふとう)で、実習船「鹿島丸」の航海実習で捕ったマグロなどを水揚げした。同科の3年生18人と実習船の乗組員らが水揚げ作業に当たり、マイナス60度で凍らせた船内の魚約100本を、クレーンで慎重につり上げ運び出した。さらに魚の種別を埠頭でそれぞれ確認しながら、一本ずつ冷凍トラックに積み込んだ。
同港区での水揚げは昨年に続き2回目。茨城水産(同県水戸市)と食品スーパー・カスミ(同県つくば市)の協力を得て、生徒が県内で水揚げから加工、販売までを学ぶ一連の流れが確立され、同港区を利用するメリットが明確になった。以前は、設備の整う「マグロの基地」と呼ばれる三崎漁港(神奈川県三浦市)で水揚げしていた。
航海実習は4月25日~7月2日の間、2班に分かれてそれぞれ約1カ月間実施。生徒は別府や神戸の各港に寄港しながら操船技術を学んだ。小笠原やフィリピン、米国グアム近くの沖合ではえ縄漁を行い、キハダやメバチ、カジキなど計約2トンを漁獲した。
水揚げした魚は茨城水産で加工した後、8月上旬にカスミのフードスクエア水戸赤塚店や那珂湊店など計5店舗で販売される予定。
この日、水揚げ作業を行った同科3年、黒沢翼さん(17)は「魚が釣れた時はテンションが上がり、感動した。みんなで捕った特別な魚を、多くの人に味わってほしい」と期待を込めた。