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《24高校野球》初の女性ノッカー 土浦二高の小林さん 選手鼓舞、拍手に笑顔 茨城

開幕戦でノッカーを務めた土浦二高の小林ことさん(右)=水戸市見川のノーブルホームスタジアム水戸
開幕戦でノッカーを務めた土浦二高の小林ことさん(右)=水戸市見川のノーブルホームスタジアム水戸


6日開幕した「第106回全国高校野球選手権茨城大会」の開幕戦に、茨城県立土浦二高2年、小林ことさん(16)が女性初のノッカーとして登場した。今大会から女性教諭や女子部員によるシートノックが認められ、放った打球は冒頭の3分間で計22球。共に汗を流したナインたちを鼓舞しながら、終了後は「球場の拍手がうれしかった」と笑顔を浮かべた。

小林さんは幼い頃から大の野球好き。家族でプロ野球中継を見たり、友人とおもちゃのバットやボールで遊んだりしていた。当時は水泳を習っていたが、5歳下の弟が野球を始めたことをきっかけに、中学進学後は軟式野球部へ入部。男子部員とともに練習に汗を流した。

中学時代は充実した野球生活を送ったが、高校では女子部員が公式戦に出られないため、当初は続けるつもりがなかった。

しかし、入学前の学校説明会で、野球部の相良真博監督(39)から誘われ、「やっぱり野球が好き」と野球部の門をたたくことを決意。同校が参加し、選手主体で運営する独自のリーグ戦「PCリーグ」では女子選手が出場できることも入部の決め手となった。

選抜大会で23年に女子部員によるシートノックが認められたのを受け、相良監督からノッカーとして「出場」を打診されたのは同年6月。選手兼ノッカーとして練習を始めたものの、ノック用バットは通常よりも細く、最初は悪戦苦闘。自身が投げたトスに合わせられず、「まずバットに当てるところから始まった」と打ち明ける。その後は毎日ノッカーを務め、全体練習後の自主練習でもひたすらバットを振ったという。

迎えたこの日の本番でノックに与えられた時間は3分。「緊張がぶわっと湧いた」が、練習の成果を存分に発揮すると、終了後はノーブルホームスタジアム水戸(水戸市)に詰めかけた観客から大きな拍手と歓声を送られた。

大役を果たし、「終わってから歓声が聞こえた。拍手をもらえてうれしかった」と小林さん。県内の女子野球部員に対して「こういう形で続けられるという、選択肢の一つになればうれしい」と笑顔を見せた。



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