サツマイモあん開発 ふぞろい活用、返礼品に 行方市、産学官連携 茨城
商品として市場に出回らないふぞろいのサツマイモを使い、茨城県行方市と立教大、道の駅いたこ、JCBトラベルが共同で新商品「さつまいもあん」を開発した。行方市や同県潮来市へのふるさと納税返礼品として取り扱うほか、潮来市前川の「道の駅いたこ」でも販売する。いずれも10日から。
同プロジェクトは食品ロス削減とふるさと納税返礼品の開発を狙いに、産・学・官が連携し、2023年9月25日にスタート。行方市まちづくり推進機構とJCBトラベルが業務提携しており、JCBトラベルの元社長・風間欣人(よしひと)さんが立教大観光学部の特任教授を務めていることなども縁となって実現した。
商品に使用するサツマイモは「紅はるか」で、道の駅いたこの自社工房でペースト状に加工する。パンやスイーツ、和菓子など幅広い用途で楽しめ、家庭料理から高級料理まで、万能ペーストとして多彩なシーンで活用できる。
立教大観光学部3年の武田仁海さんは「通常は廃棄されてしまうふぞろいのサツマイモをどう利用するか考え、ペースト状にすることを思い付いた」と振り返り、「サツマイモが旬の秋だけではなく、一年中楽しめる行方市の名産品になってほしい」と期待を寄せる。道の駅いたこで4月7日から行った試験販売では、3週間で100個を完売した。
ふるさと納税の寄付金額は170グラム3個入りが6000円、同6個入りは1万1000円。道の駅いたこでの販売価格は1個540円。鈴木周也市長は「若者の外から目線のアイデアを基に、関係者が連携して商品化した。ふるさと納税の返礼品として、また、『さつまいもあん』を原料とした商品開発にも取り組んでいきたい」と意欲を見せた。