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子ども観客 増加を J1鹿島 無料招待枠を拡大 場外イベント充実 人口減見据え〝投資〟 茨城

サッカー・J1鹿島アントラーズの試合を観戦する子ども(手前右)ら=鹿嶋市神向寺(クラブ提供)
サッカー・J1鹿島アントラーズの試合を観戦する子ども(手前右)ら=鹿嶋市神向寺(クラブ提供)


サッカー・J1鹿島アントラーズFCが茨城県鹿嶋市のホーム戦で子どもの来場者を増やす取り組みに力を入れている。小学生を対象にした一部座席の無料招待をはじめ、スタジアム外のキッズエリアを拡張するなど観戦以外の施設も充実させた。人口減少を見据え、来場者の裾野拡大に結び付けるのが狙いだ。

同FCは今季から、全国の小学生以下を対象にカシマスタジアムで開催するホーム戦全試合の一部席種を無料にした。これまでは「ホームタウンキッズパス」を用意し、無料観戦できる小学生を県内ホームタウン5市(鹿嶋、潮来、神栖、行方、鉾田)に限定していた。

子どもの来場拡大の狙いについて、同FCの小泉文明社長は「親になってからもファンでいてもらえるような流れをつくることが大事」と強調。将来は無料対象を中高生へ引き上げることも検討するという。

同FCは2020年以降、新型コロナウイルスの影響で集客数が伸びず、厳しい収支が続いた。昨季の観戦者数はコロナ禍前の水準に回復。クラブ史上過去2番目となるホーム戦1試合平均約2万2000人を記録し、入場料の大幅増で経営状況が上向いた。

だが、今後も続く人口減少は来場者減少につながりかねず、小泉社長は「楽観視できない」。新規顧客を獲得し、中長期的に効果が期待できる投資を進める必要があるという。

このため、同FCは場外でのレジャー要素増加を図り、サッカー観戦の楽しみを多重化。試合以外でも、子ども向けの催しに注力して家族が半日楽しめる場所となり、再度訪れたいと思ってもらえるスタジアムを目指す。

今季リニューアルしたアクティビティー「キッズパーク」はその一つ。面積を拡張し、場外の広場で参加型イベントを実施するなど、サッカーに限らず子どもたちが楽しめる環境づくりを進める。

きょうだいでよくスタジアムに訪れるという神栖市の鈴木美咲さん(23)は「子どもたちが遊べる場所が充実している」と語り、弟の小学4年、優仁(ゆうと)さん(9)も「フットダーツなどがあって、試合以外でも楽しめた」と笑顔を見せる。

同FCによると、小学生対象の無料招待席の平均来場者数は、昨季の805人に対し、今季は5月3日の湘南戦までで1135人と約4割増えたという。

小泉社長は「スタジアム周辺のコンテンツを含め、さらに多くの人に楽しんでもらえるような場をつくっていく」と話した。



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