パリ五輪 茨城県勢、12競技17人選出 Sクライミングやスケボー、メダル期待
26日開幕するパリ五輪に出場する茨城県関係選手がほぼ出そろった。新競技ブレイキン(ブレイクダンス)を含め、海外開催で最も多い32競技329種目が行われ、県勢からは13日時点で12競技17人が選出されている。2021年の東京大会でメダルを獲得したスポーツクライミングや柔道など、県勢選手の躍進に期待がかかる。
スポーツクライミング女子の森秋彩(20)は初の五輪出場となる。昨年8月の世界選手権複合で銅メダルに輝き、県勢選手で最も早く五輪切符をつかんだ。苦手種目とするボルダーの技術向上に励み、国内敵なし。大舞台で実力を発揮し、金メダル獲得を狙う。男子の楢崎智亜(28)は、東京五輪で4位に終わった悔しさを胸に、さらなる高みを目指す。
スケートボードの草木ひなの(16)は、6月にハンガリーのブダペストで行われたパリ五輪最終予選の女子パーク決勝で5位に入り、熾烈(しれつ)な代表争いに競り勝った。得意技は板の前方を前足で1回転する「サランラップ」。空中で板を縦回転させて手でつかむ大技「キックフリップ・インディー」が表彰台への鍵を握る。
サッカー男子の細谷真大(22)は22年Jリーグベストヤングプレーヤーに選出された。初の五輪舞台では得点王を目標とし、エースとしての活躍に期待がかかる。J1鹿島で活躍した大岩剛監督の下、56年ぶりのメダル獲得を目指す。
東京五輪の柔道男子81キロ級金メダリスト、永瀬貴規が狙うのは今大会も「金」。ベテランの域に差しかかった30歳。3月のグランドスラム(GS)アンタルヤ大会では同階級を制覇した。持ち前の泥くささや粘り強さで、日本史上8人目の階級連覇に挑む。
佐藤友花(22)はアーティスティックスイミングに出場する。デュエットでペアを組むのは、昨夏の世界選手権で頂点に立った比嘉もえ(井村ク)となる見込みだ。大会直前まで技の難易率向上に励む。
競泳男子200メートルバタフライの寺門弦輝(21)は、3月のパリ五輪選考会で派遣標準記録を1秒以上上回る1分54秒07で内定を決めた。飛び込みの榎本遼香(27)は2月のドーハ世界選手権の板飛び込みで11位となり、代表に内定した。
陸上の県勢選手4人は全員が初出場。先月の日本選手権男子100メートルで2位となり、代表入りを確実にした東田旺洋(28)、昨年のアジア選手権同200メートルを制した鵜沢飛羽(21)、同400メートルで日本歴代3位となる44秒88の記録を持つ佐藤風雅(28)、けがを乗り越え五輪切符をつかんだ女子やり投げの斉藤真理菜(28)など、実力者がそろう。
水球男子の大川慶悟(34)とホッケー女子の永井葉月(29)はともに3大会連続の出場となる。ハンドボールの元木博紀(32)と桜井睦哉(24)はともに千代田中、藤代紫水高出身で、同郷の力を合わせる。フェンシング男子団体リザーブの永野雄大(25)は相手の出方に応じ、重要な局面での起用が見込まれる。
パリ五輪は26日(日本時間27日)開幕。8月11日までの17日間にわたり、熱戦が繰り広げられる。