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「偽物と疑わず」 茨城県内女性 SNS投資詐欺、被害を証言

SNS型投資詐欺の被害について振り返る女性
SNS型投資詐欺の被害について振り返る女性


交流サイト(SNS)をきっかけに株やFXなどの取引名目で金をだまし取る「SNS型投資詐欺」で、被害に遭った茨城県内在住の高齢女性が17日、茨城新聞などの取材に応じた。女性は複数回にわたり詐欺グループの指定口座に送金していた。「冷静に考えると、何でこうなったのか不思議」とため息交じりに語った。

女性は3月ごろ、二十数年来の友人から実業家、三木谷浩史さんを名乗るフェイスブックのアカウントを紹介された。女性は本物の三木谷さんと信じ、LINE(ライン)でメッセージを交わすようになった。相手からは日本語や英語で人生観などが送られ「心を打つことを言ってきた。偽物とは疑わなかった」。勧められた投資用アプリをダウンロードした。

アシスタントを名乗る人物からLINEで丁寧な説明を受け、インターネットバンキングで振り込んだ。アプリでは利益が出続けているように表示され、当初は金を引き出せたため、親族に詐欺の可能性を指摘されても素直に聞くことができなかった。相手側から「振込額が1000万円を超えれば別の投資先もある」などと言われ、利益を得た際に寄付をしたい団体があったことから、5回にわたって入金した。

5月ごろ、現金を払い戻そうとすると、相手側から20%分の税金、5%分の義援金の支払いを求められた。女性は支払ったが、相手側が払い戻しに応じることはなかった。銀行の店舗で引き出そうとした際、行員から詐欺だと伝えられ、警察に通報した。

友人の話、個人名義の振込先、フェイスブックに三木谷さんを名乗る複数のアカウントなど、冷静になって考えると疑うべき点はあったと悔やんだ。


■手口巧妙、茨城県内の被害15億円 1-5月

茨城県内は2023年から、交流サイト(SNS)を通した「SNS型投資詐欺」の被害が急増。偽のアプリなどを使って信じさせ、何度も金銭をだまし取る手口の巧妙さが目立つ。

県警によると、今年1~5月の認知件数は前年同期比215%増の60件となり、被害額は同比448%増の約15億円だった。4月には県南地域の女性が8億円余りの被害に遭ったことが発覚。投資詐欺の手口が広く知られるようになり、その後の認知件数増加につながったとみられる。

SNS型投資詐欺の手口は、SNSからLINE(ライン)に誘導し、偽の投資アプリをダウンロードさせるケースが目立つ。アプリでは投資が成功しているように表示し、利益を引き出そうとした際には手数料や保証金名目でさらに送金させるという。

県内ではこのほか、投資家や著名人を名乗る偽の広告から誘導されたり、LINEで友達登録されたアカウントからFX投資に勧誘されたりした。恋愛感情を抱かせて金をだまし取るロマンス詐欺との併合型もあり、SNS型と合わせた被害額は計約16億4100万円に上った。

県警は「SNSで勧誘するもうけ話は詐欺。お金の話をされたら警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。



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