警察官2人刺される 水戸の集合住宅の一室 殺人未遂容疑で逮捕 茨城県警【更新】
19日午前3時半ごろ、茨城県水戸市河和田3丁目の集合住宅の一室で、男が県警水戸署員の男性2人の胸や腹部をアイスピックのようなもので刺した。いずれも病院に搬送されたが意識はあり、命に別条はないという。同署は胸を刺された署員に対する殺人未遂の疑いで男を現行犯逮捕し、詳しい経緯を調べている。
逮捕されたのは、同所、無職、男(66)。県警捜査1課によると、容疑を否認している。
同課によると、同日午前1時半ごろ、男の自宅近くの路上で、タクシー運転手の男性から「泥酔した男が料金を払ってくれない」などと110番通報があった。同署の男性巡査部長(38)と男性巡査長(37)がタクシー運転手とともに男を自宅まで送り届けたところ、男がアイスピックのようなもので署員2人に襲いかかり、巡査部長は左胸を、巡査長は腹部をそれぞれ刺された。タクシー料金の支払いを巡りトラブルになったとみられる。2人は当時、耐刃防護衣を着用していなかったという。
その後、駆け付けた別の署員が男を取り押さえた。県警は巡査長への殺人未遂や傷害容疑での立件も視野に捜査している。
現場はJR赤塚駅から南西に約1.5キロの集合住宅が立ち並ぶ一角。
男を乗せ、事件に遭遇したタクシー運転手の50代男性などによると、署員2人は耐刃防護衣を着用していたが、泥酔した男を部屋に運び入れる際に屋内を傷つけないよう脱いだ。男は室内でタクシー料金を支払うようなそぶりを見せてから一度背中を向け、振り返りざまに巡査部長に襲いかかったという。
職務執行中の警察官がけがを負ったことについて、県警は「まずは事件の全容解明に全力を尽くす。受傷事故防止に万全を期したい」とコメントした。
近くに住む60代女性は「(男は)普段は物静かな印象。いつも平和な所なので、こんな事件が起きて怖い」と話した。