動くアート 五感で楽しむ 茨城県近代美術館 「つくる展」開幕
ユニークな仕掛けで動くアート作品を集めた「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」が20日、茨城県水戸市千波町の県近代美術館で開幕した。世界で活躍するものづくりのプロ集団「TASKO(タスコ)」の展覧会。磁力や風力を使った装置をはじめ、光や影の特性を生かした空間表現、音と香りが連動する作品など、五感で楽しむ展示となっている。会期は9月23日まで。
企画協力したTASKOは、機械や美術、デザインなどの専門スタッフが集い、2012年に結成。さまざまな企業やデザイナーらとコラボしながら、「新しいものづくり工場」として、映像や広告物などを国内外で手がけている。
TASKOの活動に迫る本展では、物理の法則を取り入れた20作品を集めた。ユニークな仕掛けや制作のエピソードなどに触れながら、親子で「つくる」魅力を堪能できる。
音と香りが連動する「パフューム・オルガン」は、楽器の鍵盤を押すと同時にその音に対応した香りがボトルから噴出。定期的に自動演奏が行われ、来場者が自由に演奏できる。
「ししおどし?!」は、テレビ番組「ピタゴラスイッチ」風の装置。水の代わりに小さな鉄球をためて本物のししおどしのように音を鳴らしている。
「ひかりの3原色」は、RGB(赤、緑、青)の光源の前に立つと色の付いた影が壁に映り、光の三原色を体験を通じて学ぶことができる。
同県つくば市から母親の五十嵐智子さん(40)と訪れた小学2年の双子、結さん(7)と創さん(7)は、光源を背に文字板を掲げて投影。結さんは「壁に映る文字がカラフルできれい。光からの距離で文字の大きさが変わるのが面白い」と笑顔で話した。