第106回全国高校野球茨城大会 第14日 常磐大高―土浦日大
■土浦日大、力尽きる 常磐大高粘り勝ち
【評】常磐大高が土浦日大に粘り勝ちした。2点を追う七回2死二、三塁、山口が右中間への2点適時二塁打を放ち同点。九回2死三塁、仲本が中前へサヨナラ打を放ち、試合を決めた。投手陣は先発沢畑が6回を投げ1失点と粘投した。救援仲本は八、九回を無失点で切り抜けた。
土浦日大は五回1死一、二塁、大井の中前適時二塁打で先制。七回も梶野の適時打で加点したが、同点の終盤、あと一本が出なかった。先発大井は九回まで力投したが、最後は力尽きた。
◇ノーブルホーム水戸=第1試合
▽準々決勝
土浦日大 000010100│2
常磐大高 000000201x│3
《焦点》連覇の難しさ痛感 力投のエース大井 重圧も「悔いなし」
エースとして戻ってきた最後の夏、連覇の難しさを痛感した。
2-2の九回裏2死三塁、構えたミットへ狂いなく投げ込んだ119球目の直球が、中前へはじき返された。マウンド上の大井駿一郎(3年)はその場で崩れ落ち、しばらく立ち上がることができなかった。
継投で勝ち上がるのが土浦日大の定番。それでもこの日は「全く考えていなかった。負けるも勝つも大井で」と小菅勲監督(57)は心に決めていた。4回戦で8回2/3を無失点の熱投から中1日、疲労感はまるで皆無だった。終盤まで140キロに迫る直球を打者の懐へ投げ込み続けた。
強力な常磐大高打線をほぼ完璧に封じ、自責点はゼロ。だが、最後に笑うことができなかった。失策で許した走者をことごとくかえされ、七回に同点を許すと、最終回も同様の形で幕切れを迎えた。「仲間のミスもカバーしてやりたかった」
昨夏は主力打者として甲子園では自身初本塁打を放つなど4強入りに貢献した。外野守備で培った強肩を生かし、新チーム結成後は主に投手として活躍。昨年度から1桁の背番号でけん引してきた中本佳吾主将(同)とともに、「このチームはこのチーム」と比較されるプレッシャーをはね返してきた。
無情にも最後は大井の投球が中堅手の中本の前へとはじき返され、夢が絶たれた。期待と重圧。敵は目の前の相手だけではなかったはずだ。試合後のベンチ裏では、見えない敵から解放されたように「最後のボールに悔いはないです」とゆっくり言葉を紡いだ。
■仲本サヨナラ打 常磐大高
○…常磐大高が前回王者に競り勝った。サヨナラ打を放った仲本寛投手(1年)は投打で勝利に貢献した。
七回からマウンドに立ちこの回1失点も、140キロ前後の直球を軸に、八回を三者凡退。九回2死一塁で相手4番を迎えた場面では、張り詰めた緊張感の中、山口結翔捕手(3年)の「自分の球に自信を持って投げ込んでこい!」という言葉に奮起。渾身(こんしん)の直球を投げ込み右飛に仕留めた。
流れを呼び込むと、バットでも見せた。九回裏2死三塁、「3年生の夏を終わらせないように、絶対打ってやる」。相手エースの直球を振り抜き、中前へのサヨナラ打。ベンチからは選手たちが飛び出し、歓喜の瞬間を迎えた。
「大事な場面を任せられるようになってきた」と海老沢芳雅監督(63)の信頼も厚い。仲本は「ベンチに入れていない先輩や1年生の思いを背負い、絶対に甲子園に連れて行く」と頼もしく語った。
■山口、反撃ののろし
○…山口結翔捕手(3年)の一振りが常磐大高の反撃ののろしとなった。海老沢監督は山口の一打を「きょうの勝因」とたたえた。
4回戦で先発マスクをかぶっていた後輩が負傷し、「自分がカバーして勝利に導く」と試合に臨んだ。先制を許すも粘り強く試合を進め、迎えた七回2死二、三塁。「ここで決める」と打席に立つと、2ストライクに追い込まれながらもバットを短く持ち、ステップを変え直球を振り抜いた。これが右中間への2点適時二塁打となり同点に。守備では後輩投手を鼓舞し、最後の攻撃につなげた。
試合を終え「自分たちは目の前の試合を全力でやるだけ」と次戦を見据えた。
■甲子園招かれない 土浦日大・小菅勲監督(57)
発展途上のまま夏に入った。こういう試合を乗り切って力になる。この打撃内容ではまだ甲子園に招かれない。
■序盤の好機生かせず 土浦日大・中本佳吾主将(3年)
序盤にチャンスをつくれたが、思うような攻撃ができず、自分たちの首を絞めてしまった。このメンバーでも甲子園に行きたかった。
■常磐大高・海老沢芳雅監督(63)
少ない好機で山口が打ってくれたのがありがたかった。
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