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髪の寄付 7年続ける アンパンマン憧れ「誰かの役に」 東海の小6・高橋さん 茨城

ヘアドネーションで髪を31センチ切った高橋彩結実さん=常陸太田市西三町
ヘアドネーションで髪を31センチ切った高橋彩結実さん=常陸太田市西三町


医療用ウィッグ(かつら)用の毛髪を提供するヘアドネーションを続けてきた茨城県東海村の女子児童が7月、約2年間伸ばした髪を切り、4回目の寄付に臨んだ。困った人にパンを分け与える人気アニメ「アンパンマン」の主人公に憧れ、寄付を始めて約7年。今後も「誰かの役に立ちたい」と意欲を見せる。

寄付を続けているのは同村立中丸小6年の高橋彩結実(あゆみ)さん(11)=同村村松。幼い頃に見たアンパンマンのアニメで、主人公が空腹など困った人にあんパンを分ける姿に共感し、母親の紘子さんの勧めもあり「自分も誰かを助けたい」と4歳の頃に始めた。以来、ヘアドネーションのために髪を伸ばし続け、2年に1回のペースで寄付を続けてきた。

ヘアドネーションは小児がんや先天性の脱毛症、事故などで毛髪を失った子どもたちのため、寄付された髪の毛でウィッグを作り提供する活動。ウィッグの製作には原則31センチ以上の長さが必要とされており、長髪を望む女児向けにはさらに長い髪が必要という。

22日には同県常陸太田市内の美容室で髪の毛をカット。高橋さんは今も大好きというアンパンマンがプリントされたTシャツ姿で臨み、緊張した面持ちで髪にはさみが入る様子を見つめた。

切り終えると、「寄付したいという私の願いをかなえてくれた人、全てにありがとうと言いたい」。自分の髪を活用したウィッグが贈られる子どもたちに対しては「喜んでもらえれば何よりもうれしい」と話した。切った髪はヘアドネーション活動に取り組む団体「つな髪」(大阪府)に送る予定という。

「誰かの役に立つのが好き」と高橋さん。7年間にわたって寄付を続けてきたが、2023年1月には頭部にアレルギーが発症した。その後も1年半にわたり髪を伸ばし続けたものの、寄付は今回で一区切り付けることに決めた。

同校では福祉委員会に所属し、ボランティアなどにも励む。ヘアドネーションについては「無理のない範囲で続けていきたい」と語り、今後は別の形で誰かに喜んでもらえる活動に取り組むつもりだ。

「大人になっても同じ気持ちでいられるようにしたいな」。肩にかからないほど短くなった髪を見つめながら、高橋さんは笑顔を見せた。



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