《パリ五輪》「夢へ全力」恩師期待 元木、桜井 きょう初戦 ハンド男子 茨城・かすみがうら出身
パリ五輪ハンドボール男子代表「彗星(すいせい)JAPAN」に選出された茨城県かすみがうら市出身の元木博紀選手(32)と桜井睦哉選手(24)の2人が27日、予選リーグの初戦に臨む。2人は地元のスポーツ少年団「新治クラブ」で技を磨き、藤代紫水高へ進学。2人を育てた恩師らは「国民の期待を胸に最後まで戦ってもらいたい」とエールを送る。
元木選手は小学1年生の体力テストでボールを30メートル投げ、早くから才能が注目されていた。当時のクラブ監督、白土克弘さん(64)は「指導者に恵まれた環境でハンドボールをやれば、活躍できる選手になる」と確信。2年生で同クラブに入団すると、高い身体能力と豪快なプレースタイルでチームを引っ張った。
桜井選手は子どもの頃は小柄で目立つ存在ではなかったが、誰よりもひたむきに練習する姿が印象的で、白土さんは「チーム一番の努力家」と高く評価。確実にポイントを稼ぐプレーでチームを鼓舞し、在籍時はクラブ初の全国大会出場にも貢献した。
市は五輪前、同クラブに通う子どもたちの寄せ書きを2人へ届けた。その際、元木選手は「大舞台で暴れたい。150%の力で戦う」、桜井選手は「支えてくれた皆さんへの感謝をエネルギーに変え、予選リーグ突破を目指す」とそれぞれ活躍を誓ったという。
2人はいずれも市立千代田中を卒業後、藤代紫水高へ進学。同高ハンドボール部で指導した滝川一徳総監督(54)は、元木選手から定期的にシューズが送られてくると明かし、「家庭の事情で経済的に苦しい部員もいるので大変助かっている」と話した。
部員たちにとっても2人は憧れの存在。チームは北九州で開かれている全国高校総体に、2人の名前入りTシャツで臨んでいるという。
初戦の相手は、過去の五輪で金メダルを獲得したこともある強豪のクロアチアだが、滝川総監督は「日本代表として、子どもたちに夢や希望を与えられるようなプレーに期待したい」と力を込めた。