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整備士の腰痛負担軽減へ ホンダ茨城南 茨城県内全店舗、アシストスーツ導入

「マッスルスーツ ソフトパワー」を着用してタイヤを持ち上げようとする従業員=水戸市けやき台
「マッスルスーツ ソフトパワー」を着用してタイヤを持ち上げようとする従業員=水戸市けやき台


自動車整備士の腰痛による離職を防ごうと、新車・中古車販売などを手がけるホンダ茨城南(茨城県つくば市)は、同県内全15店舗に腰の負担を軽減するアシストスーツを導入した。腰痛予防や体の故障を防ぐ。自動車業界は若者の車離れや人口減少で、整備士のなり手不足が深刻化している。導入により、社員の職場への満足度向上につなげる。

整備作業の中ではタイヤの持ち上げが最も腰に負荷がかかる。乗用車のタイヤはホイールを含め一つ約10~20キロ。同社水戸けやき台店(同県水戸市)では、毎日10台分ほどのタイヤの取り外し・取り付け作業を行う。タイヤ交換の繁忙期には30分ごとに作業することもあるという。

同社サービス部の鈴木宗高部長(52)によると、数年前に30代社員がぎっくり腰を理由に退職した。同社はできるだけ負担を減らそうと、作業位置を低くするなど工夫していた。しかし、年に1、2人は体の故障で休職を余儀なくされ、対策が急務となっていた。

今回導入したのは、東京理科大発のスタートアップ企業「イノフィス」(東京)が開発した「マッスルスーツ ソフトパワー」と「マッスルスーツ ソフトライト」の2種類。各店舗に3~4台ずつ、計56台配備し、今年3月から使っている。

「ソフトパワー」はゴムチューブを使った人工筋肉のアシスト技術を背面に組み込み、腰の負担を35%軽減する。「ソフトライト」は腰回りの負担軽減機能があり、作業着の中に着用できる軽量タイプ。通気性に優れたメッシュ素材を使い、快適に作業を行うことができる。

同店で自動車整備士として働く小林航大さん(27)は、入社1年目にぎっくり腰を発症した。「歩くのも困難で、コルセットを巻いて仕事をしていた」と話す。アシストスーツを着用すると「全くと言っていいほど腰への負担を感じない」と効果を実感しているという。

鈴木部長は「仕事を続けたいのに、辞めざるを得ない状況を防ぎたい」と導入への思いを語る。若者の車離れや人口減少の中で「職場環境を整えて、社員の定着や、職場の満足度向上にもつなげたい」と話した。

イノフィスは「女性や高齢者など力が弱い人が生き生きと働けるようサポートも重要」と強調している。



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