研究者の事業化後押し 企業と直接交流図る 茨城・つくばでフォーラム
研究成果の事業化や共同研究のきっかけづくりを後押ししようと、茨城研究未来フォーラム2024(茨城県主催)が30日、同県つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。実際に事業化に乗り出したベンチャー企業に関する講演やパネルセッション、研究者によるプレゼン、ポスター発表などが行われた。県内に拠点を持つ研究者や企業の担当者ら約80人が参加し、情報共有などを通して関係を深めた。
フォーラムは、県の「ベンチャー企業創業・事業化支援プログラム」の一環。社会の中で研究成果を役立てたい研究者と、関心を持つ企業などが事業化を探る直接交流の機会として、初めて開催した。
この日は、筑波大発ベンチャー「Qolo(コロ)」の江口洋丞社長による講演と、パネルセッションが行われた。事業化に乗り出した研究者や大手企業の研究開発担当者、同大大学院生らが登壇。研究者の起業の必要性などを議論した。
プレゼンは、16人の研究者が1人当たり2分間で研究内容を発表。こうじ菌を使った代替肉の開発や脳波を計測してロボットを動かす研究などが紹介された。
タンパク質の構造解析を行う、アグロデザイン・スタジオ(千葉県)の西ケ谷有輝社長は「微生物関連の事業を行う会社と話ができた。何か新しいことができそう」と手応えを話した。
県技術革新課の宇都宮隆広課長は「意見交換を通じて研究を磨き上げ、事業化につなげてほしい」と期待した。