次の記事:TX土浦延伸 27年後黒字 茨城県試算 東京一体整備で 

《戦後79年》絵本朗読 平和訴え 児童2人、練習励む 茨城・鹿嶋

朗読の練習を重ねる中山夏実さん(左)と小野塚彩夏さん=鹿嶋市宮中
朗読の練習を重ねる中山夏実さん(左)と小野塚彩夏さん=鹿嶋市宮中


茨城県鹿嶋市で絵本を題材に戦争の悲惨さを伝える「へいわ絵本の朗読会」に、市内の小学生2人が出演する。終戦から今年で79年。現在もウクライナやパレスチナ自治区ガザで戦闘行為が続く中、2人は「大人たちはなぜ戦争するのか」と声をそろえ、平和の大切さを訴えようと4日の本番に向けて練習に励んでいる。

朗読会に出演するのは、市立鹿島小5年の小野塚彩夏さん(11)と市立波野小5年の中山夏実さん(11)。2人は谷川俊太郎さんの詩「せんそうしない」を読み上げる。朗読会には小野塚さんの母、弘美さん(54)が代表を務める「演劇集団プロジェクト麗舞(りぶ)」が参画しており、題材は「子どもたちにも理解しやすいように」と絵本から選んでいるという。主催は市立中央図書館。

朗読会は19回目で、小野塚さんは昨夏に続き2回目の出演。人前で話すことは苦手だったが、弘美さんから「子どもだからこそ伝えられる世界観がある」と誘われて参加したところ、人に伝える楽しさを実感。中山さんは、照明スタッフの母、恭子さん(50)の後押しで参加を決めた。

2人は6月から練習を開始。題材の詩は同じフレーズが続くため、練習時は弘美さんから「単調では伝わらない、めりはりを付けて」「(感情を伝える)目をつくって」など細かい指導が飛んだ。

言い回しや表現に悩みながら練習を続ける中、2人は世界各地で続く戦争にも意識が向いた。小野塚さんは「なぜ、ちゃんと話し合えないのか。武器を造るのはやめてほしい。戦争は自由を奪う」と疑問を投げかける。中山さんは詩の中で好きなフレーズ「わいんと にほんしゅ せんそうしない」を挙げ、「平和っていいな。戦争はいけない」と強く感じるという。

朗読会は、平和のありがたさを語り継ぐ「バトンの役割」(弘美さん)。戦争を知らない世代が増える中、2人は「同じ小学生にも聴いてほしい」と声をそろえる。

朗読会は4日午後2時から同館。2人が担当する詩を含め、計6作品が朗読される。



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース