《パリ五輪》自己ベスト更新を 東田、佐藤両選手(茨城) 陸上男子予選出場へ
パリ五輪の陸上男子100メートル予選に3日、茨城県つくば市在住の東田旺洋(あきひろ)選手(28)=関彰商事=が出場する。5日には同県笠間市出身の佐藤風雅選手(28)も400メートル予選に挑む。両選手の同僚や恩師らは「自己ベスト更新を」「全力疾走で」と大舞台に臨む両選手の健闘に期待を寄せる。
■東田同僚「楽しく走って」 男子100メートル
東田選手は奈良県奈良市出身。小学6年時に陸上を始め、同市内の高校から筑波大に進学した。2023年に同社に入社し、人事担当部署に所属。「アスリート社員」として午後2時まで仕事をこなし、夕方からは同大の陸上競技場で汗を流してきた。
日本代表に決定後、同社はつくば市内の社屋に横断幕を掲示。同僚たちはうちわやスティックバルーンなどのグッズを作成し、本番に向けて応援ムードを高めてきた。
東田選手の自己ベストは10秒10。同大陸上部の先輩で、同じくアスリート社員の相馬絵里子さん(32)は「スタートは安全に飛び出し、中盤から後半にかけて伸びるタイプ。勝負強さもあり、これまでやってきたことを出せれば、自己ベストが出せる」と話した。
職場では社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるプロジェクトの中心メンバーとして活躍する。同僚の久野沙也佳さん(27)は「アプリ開発にも携わり、頼もしい存在」と話した。
6月の日本選手権で2位となり五輪出場を決めたが、大会出発前日まで業務に当たっていたという東田選手。社内の壮行会では「初の大舞台。緊張せず、自己ベストを更新したい」と誓ったという。
同僚の肥田茉莉さん(26)は「仕事と競技、二足のわらじを履いて大変だと思うが、いつも一生懸命な人。世界の舞台で楽しく走って」と話した。
■佐藤恩師「応援追い風に」 男子400メートル・1600メートルリレー
5日の400メートル予選と9日の1600メートルリレーに出場する佐藤選手は、笠間市立友部中で野球部に所属。誰よりも足が速く、卒業文集には400メートル走で「本当の全力疾走ができた」と記し、高校では陸上競技へ転身した。当時の恩師は「地元の応援を『追い風』にして」と世界の舞台で全力疾走する姿を心待ちにしている。
同中3年時の担任で、現在は教頭の高久誠二さん(53)によると、佐藤選手の走力は当時から有名で、体育祭などで活躍。クラス対抗の400メートル走では校内1位になり、卒業文集には「疲れたことより楽しいという達成感」と記した。県大会の思い出についても「本当の全力疾走ができました」とつづったという。
高久さんは「究極の無酸素運動のはずの400メートル走を楽しいと言えるとは」と当時を振り返る。2年時担任の三村聖子さん(55)は「当時の感動を思い出すような走りができれば、必ず良い結果が出るはず」とエールを送った。