《パリ五輪》細谷健闘「家族の誇り」 サッカー男子 逆転信じ大声援 牛久でPV
パリ五輪サッカー男子準々決勝・スペイン戦のパブリックビューイング(PV)が3日、茨城県の牛久市役所で開かれ、先発出場した同市出身のFW細谷真大(22)に市民らが声援を送った。不運なオフサイド判定などもあり、日本は0-3で敗戦。父の武光さん(50)は、前線で相手に脅威を与え続けた息子に「活躍は家族の誇り」と健闘をねぎらった。
PV会場には、日本代表や細谷が所属する柏レイソルのユニホームを着た市民ら約50人が集まった。
夫婦で観戦に訪れた同県取手市の会社員、道下尚哉さん(64)は試合開始前、「これまでの試合を見てきたが、日本代表の調子は相当良い。(細谷に)点を決めてもらいたい」と期待を寄せた。
前半序盤に相手のミドルシュートがゴールネットを揺らすと、会場から「うわー」と悲鳴が上がったが、すぐに「まだまだ大丈夫」とチームを再び鼓舞。さらに大きな声援で反撃を後押しした。
この日一番の盛り上がりを見せたのは前半終盤。細谷が後ろに倒れ込みながらゴールを決めると、市民らは立ち上がって歓喜。しかし、直後にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でオフサイドと判定され、市民らは「うそでしょ」「マジかよ」と肩を落とした。牛久市の会社員、粥川未来さん(39)は「あのゴールが得点にならないなんて」と悔しそうな表情を見せた。
市民らは後半も逆転を信じて大声援。しかし、わずかな隙を突かれて相手に追加点を許すと、「ああー」と落胆が広がった。
試合終了のホイッスルが鳴ると、市民らは大きな拍手を送りながら、細谷ら日本代表に「お疲れさま」「よく頑張った」と健闘をたたえた。
敗戦したものの、強豪相手に球際の強さなど持ち味を発揮した細谷。観戦した沼田和利市長は「細谷選手の今後の活躍に期待したい」と語った。
武光さんは「点数は入らなかったが、自分の仕事は全うしていた」と試合を振り返り、「お疲れさまと言いたい。子どもたちの憧れの存在。選手たちにはゆっくり休んでほしい」とねぎらった。