《パリ五輪》「大技決めて」草木に期待 スケボー女子 地元後輩らエール
6~7日に行われるパリ五輪スケートボード女子パークに、茨城県つくば市の草木ひなの選手(16)が出場する。6月下旬に開かれた五輪予選シリーズ最終戦で5位に入り、初の五輪切符を手にした。実力者ぞろいの日本代表3選手。メダル獲得が期待される中、地元関係者は「気持ちよく滑って」「技を出し切って」と活躍を願う。
草木選手は同市在住で土浦日大通信制課程に在学中の高校生。日本選手権で2021年から3連覇を果たし、23年アジア大会でも金メダルを獲得した。得意技は空中で1回転半する「540」。
競技を始めた8歳の頃から通う練習拠点のスケートボードパーク「AXIS(アクシス)」(同市大舟戸)では、子どもたちのお姉さん的存在。同県牛久市の小学4年、高橋暖さんも「一緒にスケボーの追いかけっこで遊んでくれる。みんな、ひなのちゃんが大好き」と笑顔。同県つくばみらい市の中学1年、岡あいりさんは「ひなのちゃんに教わり、苦手だった技ができるようになった。五輪では大技の540を決めてほしい」と話した。
同パークで7月開かれたイベントには出発前の草木選手も駆け付け、新設されたハーフパイプ(高さ3.3メートル)で見事なエアを披露し、観客の喝采を浴びたという。
コーチを務める男子プロスケーターの冨川蒼太さん(21)は「ライバルは日本人というより外国人選手。エアの高さは負けていないので、練習してきた技を全部出せれば上位3人に入るのでは」と太鼓判を押す。アクシスのボード用品店長、宮崎将幸さん(50)も「ひなのは勝負強さがある。1本はまったら、すごいことになるかもしれない」と語った。
冨川さんらによると、草木選手は渡仏前、得意の540をはじめ技の精度を上げる練習を繰り返し、仲間たちに「硬くなるかもしれないけれど楽しみたい。『おみやげ』も持ち帰る」と誓っていたという。
冨川さんは「五輪では1本目から全力で臨むはず。予選を上位で通過し、決勝に進んでほしい」と期待を寄せた。