《パリ五輪》地力の斉藤 大舞台 7日、女子やり投げ出場 茨城・土浦湖北高の後輩らエール
パリ五輪陸上女子やり投げに7日、茨城県龍ケ崎市出身の斉藤真理菜選手(28)=スズキ=が出場する。県立土浦湖北高の陸上部で本格的に競技を始め、2年連続で高校3冠を達成するなど頭角を現した俊才の登場に、恩師や後輩たちは「世界の舞台で活躍を」とエールを送っている。
斉藤選手は3人きょうだいの末っ子。姉や兄を追って小学3年から硬式野球を始め、男子に交じって外野手として活躍した。中学1年時の遠投は約60メートルに及び、男子顔負けの強肩ぶりを誇った。
進学した土浦湖北高でやり投げを始めると、めきめきと上達。斉藤選手をスカウトした元陸上部監督の山崎祐司さん(66)は「走っても跳んでもいいが、全国に行くならやり投げだと感じた。最初から肩ができていた」と振り返る。
山崎さんは斉藤選手の強みを「調整力」と語る。印象的だったのは、全国高校総体(インターハイ)を制して迎えた2012年秋の岐阜国体。背中の痛みなどで調子が上がらないまま大会前日を迎えたが、練習で試行錯誤の末に放った一投で好調時の感覚を取り戻した。本番当日も尻上がりに調子を上げ、最終6投目で逆転優勝を飾った。
山崎さんは「(終盤の)5、6投目をまとめて勝つ試合が多かった」と語り、五輪本番でも「彼女の調整力に期待している」と力を込める。
同校の後輩たちも、憧れの先輩の登場を心待ちにしている。陸上部部長の山本兼士さん(17)は「世界で活躍する姿が見たい」、女子部長の渡部真矢さん(17)は「湖北の卒業生として頑張って」とエールを送る。
斉藤選手は7月末、パリへ出発。見送った母の照子さん(64)は「いつも通り、楽しんでおいでね」と声をかけた。斉藤選手は笑顔でうなずき、「自己ベスト(62メートル37)を超えられるよう頑張ってくる」などと話したという。父の克明さん(61)は「思い切ってやってほしい。結果はおのずと付いてくるはず」とまな娘の活躍を願った。