人材育成し実績 安井氏飛躍説く 若手農業者対象に講座 茨城・水戸で160人参加
農業経営の革新に挑戦する若手農業者を対象とした講座「ヤングファーマーズ・ミーティング」(茨城県などが主催)が7日、同県水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館で開かれた。安井ファーム(石川県)の安井善成代表が「水稲単一経営からの飛躍」と題して基調講演し、社員育成に力を入れた経緯とその成果について講話した。経営者や農業を学ぶ高校生ら約160人が参加し、熱心に耳を傾けた。
安井代表は父親から継承した水稲中心の経営に危機感を抱き、緑黄色野菜のブロッコリーと水稲などの複合経営に移行。6年間でブロッコリーの作付面積を200倍に拡大させた実績を持つ。
水稲とブロッコリーの二足のわらじを履く大変さから人材育成に力を入れたという背景を説明し、「社員教育をしたら、利益がどんどん伸び、技術もついてきた」と成果を明かした。
さらに人材育成について「社員のやりたいことを実現できる環境づくりをしている」と強調。干し芋の商品化や直売所の立ち上げ、広報課新設の自主的な社員の取り組みを紹介した。
茨城県常陸大宮市のイチゴ園を経営する彦田結衣さん(34)は「社員の育成や仕事へどう誇りを持ってもらえるかが勉強になった」と話した。
その後、分科会が開かれ、参加者は経営戦略について学んだ。開会に先立ち、大井川和彦知事は「新しい農業をつくってほしい。目標を持って立ち向かう農業者を全力で応援したい」と期待を込めた。