最先端の科学知る 中高生、つくばの研究機関で 茨城
中高生が最先端の研究に触れる「サイエンスキャスティング」が8、9日の両日、茨城県つくば市内で開かれた。科学に関心を持つ県内外の中高生48人が参加し、超電導や人工衛星、素粒子など11の研究テーマからそれぞれ一つを選んで講義を受け、学んだ成果を発表した。イベントはつくば国際会議場(同市竹園)を母体とする実行委員会が主催し、今年で12回目。
初日は産業技術総合研究所(産総研)や高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)など市内8会場で、講義や実験が行われた。
産総研では岩石や花火を学ぶ研究テーマが用意された。岩石について学ぶグループは、花こう岩を厚さ30ミクロンの薄さに加工する標本作りを体験した。参加者は岩石の薄片を研磨材で磨いた後、顕微鏡を使って石英や黒雲母が含まれているのを確かめた。花火について学ぶグループは、金属を炎の中に入れるとその金属固有の色の光を放つ「炎色反応」を教わり、花火作りに挑戦。作った花火を専用施設内で実際に点火した。
2日目は参加者がグループごとに研究内容をまとめ、同会議場でプレゼンテーションし、投票で最優秀賞を決めた。
最優秀賞には防災科学技術研究所で地震の揺れや津波の高さを学んだグループが選ばれた。グループの一人、東京学芸大付属高2年、小林葉子さんは「普段見ることができない施設に入れて知的好奇心が満たされた。将来は大学で地形学を勉強したい」と話した。