南海トラフ 茨城県内8市町村 警戒態勢 巨大地震注意 津波や避難場所
気象庁による「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表を受け、茨城県でも太平洋沿岸の市町村を中心に巨大地震に備えた対応に追われた。県は「日頃からの備えを再確認し、津波が起きた際は慌てずに安全な場所に避難してほしい」と呼びかけている。
県防災・危機管理課によると、県内で南海トラフ巨大地震の防災対策推進地域に指定されたのは、水戸、日立、ひたちなか、鹿嶋、神栖、鉾田、大洗、東海の8市町村。南海トラフ地震が起きた場合、最大震度5強の揺れや高さ3メートル以上の津波の発生が想定されている。水戸市では津波が那珂川を遡上(そじょう)して沿岸の住宅や田畑に被害が出る懸念がある。
県は巨大地震の発生時に備え、警戒態勢を強化。消防や土木、報道など、災害に関わる各課の職員約30人が迅速な対応が取れるよう整えた。
国の通知を受け、8市町村に発生に備えた態勢を取るよう要請。合わせて住民に対し、避難場所や避難経路、備蓄品の備えなどを確認するよう伝達した。
市町村では、鉾田市などが災害対策本部を設置したほか、水戸市が会議を開いて幹部間で南海トラフに関する情報を共有。交流サイト(SNS)などを通じて、市民向けに津波ハザードマップや避難のチェックリストを発信した。
大洗町は海水浴客に対し、町観光協会のホームページで来場前に遊泳の可否や津波の避難情報をまとめたマップに目を通しておくよう求めた。
東海第2原発(東海村)の防潮堤工事が完成していない日本原子力発電は、津波が発生した際の連絡体制や対応手順を再確認した。津波で敷地内が浸水した場合は「原子炉建屋に水が入らない対策や電源の確保、海水を取るポンプ車の配備ができている」と強調した。