〝ドボジョ〟 橋を解説 茨城・笠間でイベント 小中学生招き体験や見学
土木の分野で働く女性技術者(ドボジョ)から、小中学生が「橋」の仕組みについて学ぶイベント「夏休み!ドボジョと橋をみてみよう♪inいばらき」が茨城県笠間市内などで開かれた。土木の世界に関心を持ってもらおうと企画され、市内を中心に県内外から13人の子供たちが参加し、紙の模型を組み立てながら橋の構造を理解したほか、点検体験や橋の建設現場を見学した。
イベントは、土木技術者女性の会東日本支部と県建設業協会建女ひばり会、笠間市、同県石岡市の共催で、国交省常陸河川国道事務所、県土木部が協力した。女性の科学技術人材育成を図る「夏のリコチャレ(理工チャレンジ)」(内閣府、文科省、経団連主催)の登録イベントとしても実施された。
イベントは「橋の講習会」「橋の点検チャレンジ」「工事現場見学会」の順で主に展開。
最初の講習会では、笠間市市民センターいわま(同市下郷)の会議室で、ドボジョの先生が橋の構造を解説。「橋台」「桁」「床板」「地覆」「高欄」「伸縮装置」などのパーツやそれらが果たす機能・役割を、言葉の解説だけでなく、紙のキットを組み立て、実感的にも理解させた。
また、構造的に「ゆれる」「のびる」「つれる」ようになっていることも、橋の重要な要素と指摘。橋台と桁の間に隙間が空いている理由などを説明し、振動や衝撃、素材伸縮を考慮に入れた構造となっているとした。コンクリート橋の寿命は50年とされることもクイズ形式で教えた。
座学の後は、点検作業の体験。涸沼川に渡された同市矢野下の市道に架かる「大古山橋」(2004年架設、橋長65.9メートル)に移動。2班に分かれ、建女ひばり会の会員を案内役に、6パーツを点検。参加者はチェックシートを手に、ひび割れや変形、欠損がないかを点検して回った。排水枡では、泥の詰まりを見て取った。
また、国道355号を隣接の石岡市側に越境し、JR常磐線(上野東京ライン)をまたぐ「東成井こ線橋」(同市東成井)の建設現場を見学した。
イベントに地元の笠間市内から参加した県立水戸一高付属中3年、島田香那さん(14)は、「建設中の橋を見られる機会はなかなかないと思い、参加を申し込んだ。橋が何層にもなっている(構造)とは知らなかったので勉強になった」と話した。
建設現場見学の後は、再び市民センターいわまに戻り、女性土木技術者の就労状況などについての説明も行われた。司会を務めた県道路建設課長補佐、沼田直子さん(42)は、自らもドボジョの1人として、「子供たちに土木の楽しさ、構造物の楽しさを知ってほしいという思いがある。きょうは興味深く見てもらえたようで、うれしく思う」と話した。