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東海第2 防潮堤「実質造り直し」 完了時期、延期避けられず 茨城

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日本原子力発電が再稼働を目指す東海第2原発(茨城県東海村)の防潮堤について、建設中に不具合が見つかった基礎部分を残したまま補強工事を進める方針であることが13日、分かった。実質的な造り直しとなり、9月に予定する工事完了時期は「非常に厳しい」(原電関係者)との見通しを改めて示し、延期は避けられない状況となった。

原子力規制庁が同日、原電側と実施した7日の審査会合事前ヒアリングの結果をホームページ上で公表した。

原電の計画では、不具合のあった基礎部分を地中に残したまま、補強工事を実施する方針。不具合箇所は基礎の構造として活用せず、防潮堤の防護壁を支える柱の中心部を強化するほか、基礎の追加工事や周辺地盤を改良するなどして安全性を確保する。

基礎の補強や追加など大幅な計画見直しにより、原電の関係者は「実質的な造り直しに近い工事となる」との見通しを示した。

東海第2原発では昨年6月、防潮堤の基礎部分の工事で、柱の強度を向上させるためのコンクリートが複数箇所で充塡(じゅうてん)されていないことが判明した。骨格となる鉄筋の変形も確認された。

こうした事態を受け、規制庁は不具合のあった基礎部分について、抜本的に設計を見直し、建て直しを含めて検討するよう原電に求めていた。

同庁は今月下旬にも審査会合を開く予定で、原電から計画の詳細な説明を聞いた上で、安全性を審査していく予定。

原電は安全対策工事について、9月までの完了を目指し整備を進めてきた。防潮堤の基礎部分の不具合が判明したことで、工期は「非常に厳しい状況」との認識を示す一方で、同月までの完了方針は「維持する」として変更していない。

これに対し、大井川和彦知事は7月の記者会見で「(9月完了が)ありえないのは明らか。対応は不誠実」と指摘。東海村の山田修村長も5月に「早く今後のスケジュールを示すべき」とし、不具合が発覚した後も完了時期を変更しない原電の対応を批判してきた。



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