台風7号は16日、発達しながら伊豆諸島の東を北上し、非常に強い勢力で暴風域を伴って関東に接近した。茨城県では沿岸部を中心に各地で大雨や暴風警報が発令された。日立市など6市に警戒レベル3の「高齢者等避難」が発令されたほか、34市町村が避難所を開設。常磐線の一部区間で終日、運休するなど交通も乱れた。

水戸地方気象台によると、午後4時現在、県内36市町村に大雨や暴風、波浪警報が発令された。午後9時現在の24時間雨量は常陸太田市で48.0ミリ、筑西市で41.0ミリを観測した。

県によると、午後5時現在のけが人は1人で、笠間市の70代男性が風にあおられ転倒し軽傷。このほか、建物や河川への被害などは確認されていない。

警戒レベル3の高齢者等避難は日立と北茨城、常陸太田、神栖4市の全域のほか、つくばみらい市の河川流域、取手市の双葉地区で発令、対象人口は計36万8845人に上った。避難所は水戸や土浦など34市町村が計121カ所を開設し、このうち26市町村で618人が避難している。

災害対策本部は日立や龍ケ崎市など12市町村が設置した。

JR常磐線は普通列車が勝田-原ノ町駅間で午後1時以降、終日運休。特急は「ときわ」が勝田-高萩駅間で午前10時以降、「ひたち」が品川-仙台駅間で午後1時以降、それぞれ運転を取りやめた。水郡線も午後6時以降の運転を全線で見合わせた。

鹿島臨海鉄道は大洗-鹿島神宮駅間で午前9時以降、水戸-大洗駅間で午後4時以降の運転を順次取りやめた。ひたちなか海浜鉄道湊線も上下線で一部の列車が運休となった。

茨城交通は高速バスや空港バスを始発から全便運休。関東鉄道も一部の高速バス運行を見合わせた。

物流ではヤマト運輸や佐川急便が千葉、茨城両県の一部地域で配達などを停止。他の地域でも配達の遅れが生じる可能性があるとしている。

東京電力によると、停電は午前11時以降、水戸、つくば、石岡など5市の約3600軒超(午後7時半現在)で発生した。

台風は徐々に進路を東寄りに変えながら、17日は東北の東の海上に進み、関東甲信や東北では17日にかけ雷を伴った猛烈な雨が降る所がある見通し。