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茨城県内施設「不足」16% 保育士配置新基準 県、人材バンク活用推進

茨城県庁=水戸市笠原町
茨城県庁=水戸市笠原町


国が定める保育士の配置基準が本年度から引き上げられた影響で、茨城県内にある対象施設の16%で保育士が不足していることが分かった。新基準では3~5歳児で、保育士1人当たりが見る子どもの数が5人少なくなった。保育の質向上につながる一方、人材確保が課題となり、県は人材バンクの活用や潜在保育士の掘り起こしを推進する。

県が改正基準の対象となる県内施設のうち、認可保育所440カ所、認定こども園260カ所の計700カ所に対し、6~7月にアンケートを実施した。

調査によると、改正の影響で保育士が不足しているのは111カ所だった。内訳は認可保育所が62カ所、認定こども園が49カ所。いずれも3月31日時点の園児の数に基づいている。

配置基準は保育士1人が受け持つ子どもの数を示した最低ライン。国が1948年に定めた。新基準で3歳児が20人から15人に、4・5歳児が30人から25人にそれぞれ引き上げられた。

見直しは76年ぶりで、保育士の負担軽減やゆとりのある保育につなげる。保育中の事故や不適切な保育が問題視される状況を受け、政府の「こども未来戦略」にも盛り込まれた。

当面は経過措置が設けられ、旧基準でも運営が可能だ。全国的に保育士の人材不足が課題となっており、現場に混乱が生じないよう配慮された。

県内で保育士の有効求人倍率は3.18(2023年度)と高い。県は全施設で基準を満たし、さらに手厚い配置ができるよう人材確保に注力する。

対策の大きな柱は18年度に設置した「いばらき保育人材バンク」。ポータルサイトなどから求職者や施設が登録でき、水戸と土浦に置く計2拠点の窓口でマッチングを図る。現在の登録求職者は約4000人。県内で保育士の資格を持つのは約3万6000人。このうち6割は潜在保育士とされ、同バンクの活用で即戦力の掘り起こしを進める。

このほか、保育士を目指す学生や再就職を考える潜在保育士の現場見学バスツアー、施設経営者向けの職場環境改善のためのセミナーなど、さまざまな企画にも取り組む。同課は「保育の質向上につながるよう、人材確保に一層力を入れていきたい」としている。



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