自己ベスト10秒10の更新を目標としてパリ五輪の陸上男子100メートルに出場した東田旺洋選手(28)の帰国報告会が19日、勤務先の関彰商事つくば本社(茨城県つくば市二の宮)で開かれた。結果は予選落ちに終わったものの、東田選手は「タイム10秒19は上出来だったと思う」と胸を張り、「個人としてのシーズンは続く。そこで自己ベストを出したい」と力強く語った。

東田選手の出場した予選は3日に行われた。同社では社員らがつくば本社に集まり、ライブ映像を見ながら熱い声援を送った。

19日の報告会には社員約100人が出席。関正樹社長が冒頭のあいさつで「同じ会社の仲間が日本を代表して五輪に出て、社員一丸となって応援できたことは貴重な経験だった」と感謝の気持ちを伝えた。

東田選手は「できる限りの準備をして五輪に臨めた」と語り、当日の応援に感謝した。同組の他の選手がフライング失格となった出来事で「集中するのが難しくなった」と当時の状況を振り返り、自身が再スタートする時に2歩目でバランスを崩す原因の一つになったとの認識を示した。

ただ、スタート時の反応速度0秒129は予選に出場した72選手中で最速を記録し、世界をステージとして戦う上で一定の手応えを得た。既に15日から練習を再開しており、17日には栃木県で開催された陸上競技大会にも出場した。

来年9月に東京で開催される世界陸上が次の大きな目標で、「日本代表として走れるように頑張る」と誓った。