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松永K三蔵さん「両親に感謝」 芥川賞受賞、茨城・水戸生まれ 都内で贈呈式

芥川賞受賞のあいさつをする松永K三蔵さん=東京都内のホテル
芥川賞受賞のあいさつをする松永K三蔵さん=東京都内のホテル


第171回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が23日、東京都内で開かれ、小説「バリ山行」(「群像」3月号)の松永K三蔵さん(44)=茨城県水戸市生まれ、兵庫県在住=に芥川賞が贈られた。受賞後あいさつに立った松永さんは、小説家を志すきっかけをつくってくれた亡き母や尊敬する父への感謝の気持ちを述べた。

松永さんは自身のペンネームの由来を披露。「三蔵」は母方の祖父の名前、「K」は家族のファーストネームに一番多いイニシャルと紹介した上で「今後、このKの正式名を聞かれれば、父の名前を名乗るつもり」と述べた。

1980年、水戸市生まれ。2歳ごろまで茨城県日立市で育ち、その後、兵庫県へ転居した。2021年、小説「カメオ」で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。先月17日、選考会が都内で行われ、初のノミネートで栄冠に輝いた。茨城県出身者の芥川賞受賞は初めて。

「バリ山行」は、六甲山と主人公の働く職場が舞台。主人公が山登りの面白さに目覚め、通常の登山道から外れる「バリエーションルート」に挑戦する中、自身の人生を見つめ直す山岳小説。松永さんは自身が建築関係の会社に勤め、山登りも趣味。二つの経験を小説に反映している。

贈呈式では、同振興会の飯窪成幸理事長から正賞の懐中時計と副賞の賞金100万円の目録が手渡された。選考委員の奥泉光さんは、同賞受賞の朝比奈秋さんとともに、「小説の語りの魅力を最大限に生かした作品」と評価した。



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