次の記事:ヨーカ堂 茨城県撤退 最後の竜ケ崎店閉店へ 「残念」「寂しい」 

「公表遅い」「責任自覚を」 周辺首長、対応を批判 東海第2 工期延期

東海第2原発を囲む防潮堤の工事現場を視察した首長ら=2023年7月、東海村
東海第2原発を囲む防潮堤の工事現場を視察した首長ら=2023年7月、東海村


東海第2原発(茨城県東海村白方)の安全対策工事完了の延期が23日発表され、地元自治体の首長からは「公表が遅すぎる」「責任の大きさ自覚を」など、日本原子力発電(原電)への批判が相次いだ。実質造り直しとなる防潮堤工事については、安全性の向上に加え、地元住民への丁寧な説明を求める声が上がった。

東海第2の再稼働に関して実質的事前了解権を持つ同村と周辺5市の首長のうち、山田村長は同日、工期延長について「国の審査に真摯(しんし)に対応してほしい」として原電側に安全性向上に努めるよう求めた。

日立市の小川春樹市長も「原子力施設は安全こそが何より優先されるべき」と強調。住民への丁寧な説明に加え、「原電には責任の大きさを自覚してほしい」として、原子力規制委員会から示される対策を確実に実施するよう求めた。

当初9月完了を予定していた工期を巡り、大井川和彦知事や山田村長らはこれまで「あり得ないのは明らか」「誰が見ても難しい」などと指摘。水戸市の高橋靖市長は、工期延長の発表が「あまりにも遅すぎる」と原電の対応を批判し、「安全性を重視した適切な工事が行われるよう、これまで以上に厳しく監視する」と述べた。

規制委は今後、実質的に造り直しとなる防潮堤基礎工事の内容などを審査する予定。常陸太田市の宮田達夫市長は「規制委員会の審査を注視したい」とのコメントを発表し、ひたちなか市の大谷明市長は、原子力所在地域首長懇談会を構成する他の5市村と連携の上、「安全対策工事の現地視察を行うなど、施工状況を確認していく」とした。

那珂市は先﨑光市長が外遊中としてコメントを発表しなかった。

防潮堤は東海第2を囲むように設置される。取水口上部にはくいが打てないため防護壁を2本の支柱で支える予定だったが、支柱に施工不備が見つかり、工事は昨年6月から中断していた。



最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース