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《パリ・パラ》二人三脚、「金」へ闘志 半谷選手「戦う姿見て」 筑波技術大(茨城)出身 柔道女子48キロ級(全盲) 磯崎コーチと猛稽古

パリパラリンピックでメダル獲得を目指す半谷静香選手(手前右)と磯崎祐子コーチ(同左)=ひたちなか市市毛
パリパラリンピックでメダル獲得を目指す半谷静香選手(手前右)と磯崎祐子コーチ(同左)=ひたちなか市市毛


28日に開幕するパリパラリンピックの視覚障害者柔道女子48キロ級(全盲)に、茨城県ひたちなか市市毛にある水戸刑務所柔道場の柔道クラブを拠点に活動してきた半谷(はんがい)静香選手(36)=福島県いわき市出身=が出場する。パラ出場は4回目で、専属コーチの磯崎祐子さん(47)=ひたちなか市=と二人三脚で初のメダル獲得を目指す。

視覚障害者柔道は組み手の状態から始まるのが特徴。障害の程度でJ1(全盲)とJ2(弱視)にクラス分けされ、男女各4階級の体重別で争う。

半谷選手は生まれつき目の中の網膜に異常が生じる難病「網膜色素変性症」を抱える。中高時代に柔道経験があり、進学した茨城県つくば市の筑波技術大で視覚障害者柔道を始めるとすぐに頭角を現した。パラには2012年ロンドンから4大会連続出場となる。

21年東京大会から半年後、日本代表コーチを務めていた磯崎さんに「一緒にパリを目指したい」と打診。専属コーチ就任の条件が、磯崎さんゆかりで、同刑務所柔道場の柔道クラブ「舞鶴クラブ」を活動拠点にすることだった。

同クラブは小中学生が中心だが、OB・OGには高い技術を持つ高校生や全国大会に出場経験のある大学生がいた。磯崎さんは、同クラブを拠点とした理由について「同じ人と練習すれば対策され投げにくくなる。(半谷選手には)その壁を越えてほしかった」と話した。

乱取り稽古では道場の壁や他の選手にぶつからないよう周囲が配慮するなど、サポートも充実。半谷選手はクラブの仲間たちを「大会で勝つことを同じように目指す同志」と信頼を寄せる。

パラでは障害の程度が軽い選手と戦うこともあったため、過去の最高成績は16年リオと21年東京大会の5位。2人はさらなる高みを目指し、半谷選手がサーフィンなど他競技を通して柔道に生かせば、磯崎さんは動きを言葉で伝える技術を磨いてきた。

二人三脚で歩んだ2年半の集大成を見せるのは9月5日。最大の武器は東京大会後に磨きをかけてきた左の一本背負い投げだ。

磯崎さんは「2人で金メダルを取りたい。いい結果を持って帰国したい」と意気込み、半谷選手は「自分が最後まで戦う姿を見てほしい。『諦めなければできるんだ、工夫すれば誰もが頑張れるんだ』と感じてもらえればうれしい」と闘志を燃やす。



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