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茨城県初の女性真打ち 講談師・神田真紅さん(水戸出身)昇進 三代目松林伯知を襲名 9月公演 「茨城、歴史で盛り上げ」

茨城県出身の女性講談師で初の真打ちに昇進し、三代目松林伯知を襲名した神田真紅さん=東京都台東区
茨城県出身の女性講談師で初の真打ちに昇進し、三代目松林伯知を襲名した神田真紅さん=東京都台東区


茨城県水戸市出身の講談師、神田真紅(しんく)さんが真打ちに昇進し、三代目松林(しょうりん)伯知(はくち)を襲名した。茨城県出身の女性真打ちは初めて。歴史好きが高じて講談の道へ進み、茨城県の歴史を扱った新作も手がける。同市で来月、襲名披露公演を開く。「講談が聞いて面白く、役に立つことを知ってほしい」と意気込んでいる。

伯知さんは中学生の頃、司馬遼太郎の小説「新選組血風録」などを読み歴史に傾倒。都内の大学進学後は狂言研究会で伝統芸能に親しんだ。

卒業後は演芸専門雑誌の編集者として寄席通いの日々を送る中、自分の好きな題材を研究・取材し、演出を加えながら物語をつくる講談が魅力的に映った。女性講談師の神田紅(くれない)さんの教室に通い始めると、2009年には「講談を究めたい」と入門を決めた。

修業時代は「誰かがくしゃみをしたら『大丈夫ですか』と声をかけてみる。まず度胸を付けるところから始まった」と振り返る。伯知さんによると、講談師は歴史に興味のない人相手にどう関心を持って聞いてもらうかが腕の見せどころで、「(観客の)かたくなな態度を突き崩して、ニヤリとさせたい」と語る。

今回の襲名で、名跡・松林派が70年ぶりに復活することにもなった。茨城県出身の真打ち講談師は、現在の筑西市に生まれた二代目松林伯円に次いで2人目。伯円は初代松林伯知の師匠でもあった。

「新旧なんでも来いの伯知」と呼ばれた初代に負けぬよう、「歴史を勉強してきた人間として、古典の改良や復刻だけでなく、新しいものもどんどん取り扱いたい」と意欲をのぞかせる。

茨城県の歴史に関係する講談でも、藤田東湖や豊田芙雄(ふゆ)など茨城県ゆかりの人物を取り上げた新作を数多く手がけてきた。「茨城には歴史の重大なポイントが数多くあるのに見落としている」。今後も新作を発表し、茨城講談の世界観を広げたい考えだ。

襲名披露公演は9月7日午後2時開演。水戸芸術館が行う「未来サポートプロジェクト」の一環で開かれる。

伯知さんは「講談を面白い芸能の一つとして知ってもらい、茨城の歴史も盛り上げたい」と話した。



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