《ひと》茨城県大洗町長に無投票再選 国井豊(くにいゆたか)さん
■子どもに誇れる町政へ
「町民の痛みや思いに寄り添った政治を進める。大洗にもう一度期待してほしい」。色あせたたすき姿でふるさとの未来を力強く語った。
26歳で町議に初当選し、20年にわたり町政に関わった。東日本大震災を機に町長選に初めて出馬し、現職に一騎打ちを挑んだものの敗れた。この時のたすきを、2020年と今回の町長選でも身に着けた。「政治の原点。支え手の思いが宿っている」。徳川家康が自戒のために描かせた自画像になぞらえる。
悲願の当選1期目は「英語でコミュニケーションできる町」を掲げ、小中の英会話教育を充実させた。外国語指導助手(ALT)を各校に2人配し、外国人講師と1対1の英会話を重ねて「使える英語力」を磨く。昨年10月に外国客船が初めて茨城港大洗港区に入港し中学生が英語で乗客をもてなした。乗客からは高い英語力に触れた感謝の手紙も届いた。着実な成果に「若い世代がグローバル化の波に乗っている」と胸を張る。
観光の柱だった海水浴は低迷。基幹産業は今、潮目にある。そんな中、描く未来図は「野天版幕張メッセ」。「町全体をイベント会場に見立てて、催しを積極的に誘致したい」
コロナ禍の暗雲も晴れつつあり、〝国井色〟を発揮する舞台は整った。「未来の子どもに誇れる町政でありたい」
趣味は美術鑑賞。1人暮らし。59歳。












