ヨーカ堂 茨城県撤退 最後の竜ケ崎店閉店へ 「残念」「寂しい」
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は28日、傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂の竜ケ崎店(茨城県龍ケ崎市小柴5丁目)を含む5店舗を来年2月末までに順次閉店し、茨城県からは撤退すると明らかにした。同店は大規模ニュータウンの中核となる大型商業施設で、生鮮品を含め地域の買い物が不便になるなど生活者への影響が懸念される。
同店は1999年3月に開業したショッピングセンター「サプラ」の1、2階に当初から中心テナントとして入り、25年目を迎えた。売り場面積は約6426平方メートル。龍ケ崎市によると、8月初旬、同店側から閉店の通告があった。
同店を取り巻く商業環境は専門店やネットショッピングの隆盛などで厳しさを増している。イトーヨーカ堂全体でも2024年2月期まで純損益が4年連続の赤字と不振が続いている。
同店の閉店理由について、同HDの担当者は「地域のマーケットの変化に対応できなかったため」と説明した。従業員の雇用については、正社員と契約社員は本人の希望を聞いた上で、社内異動で対応する予定。パート従業員はグループ企業を含め、求人情報を提供するという。
開店以来通い続けているという同市佐貫の男性(59)は「閉店は残念。お年寄りは買い物のために遠くまで行かないといけない。街のにぎわいへの影響も心配」と肩を落とした。同県牛久市の女性(61)は「なくなるのは寂しいし、ここにしか売っていない商品もあるので困る」と表情を曇らせた。
市は「周辺住民の買い物環境を整えることが今後の課題」とした。サプラの運営会社が後継企業の誘致を図り、早期実現へ協力していく考え。
県内のイトーヨーカ堂を巡っては、05年6月に高萩店、13年2月に土浦店、19年2月に古河店、22年1月に日立店が相次いで閉店している。竜ケ崎店の閉店で茨城県の店舗は全て撤退となる。