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《パリ・パラ》辻の走り 見せて 女子陸上400(上肢障害T47) 水海道二高恩師らエール

辻沙絵選手
辻沙絵選手
飯田健一さん、滝川剛司さん(左から)
飯田健一さん、滝川剛司さん(左から)


31日に行われるパリパラリンピック女子陸上400メートル(上肢障害T47)に、茨城県立水海道二高(同県常総市)出身の辻沙絵選手(29)=日体大教=が挑む。女子ハンドボール強豪の同校では全国大会に出場。当時の指導者から太鼓判を押された走力を磨き、2016年リオ大会以来のメダル獲得を目指す。

辻選手は生まれつき右肘から先がない先天性前腕欠損。小学生でハンドボールを始めると、めきめきと上達。中学3年時に進学を見据え同校へ見学に訪れた。

同部顧問の飯田健一さん(43)は、左手と右肘の先を器用に使ってプレーする姿に「こうして頑張っている子もいるのか」と感銘を受けたという。

同校ハンドボール部時代は負けん気が強く、チームの中心的存在。コートでは司令塔としての存在感に加え、「走る能力や投げる能力は抜群だった」(飯田さん)。

ハンドボールから障害者陸上競技に転向したのは15年。飯田さんに「お前にしかできないことをやれ」と背中を押された辻選手は、初の国際大会となった同年秋の世界選手権の女子100メートルでいきなり6位入賞。わずか1年半後のリオ大会女子400メートルでは、銅メダルに輝いた。

東京大会は400メートル5位と不本意な結果に終わったものの、昨年7月の世界選手権で男女4人が走る400メートルユニバーサルリレーで金メダル、同10月のアジア大会400メートルでも銅メダルをそれぞれ獲得し、日本代表の座を勝ち取った。

陸上転向後も交流を続ける県ハンドボール協会副理事の滝川剛司さん(51)は「(辻選手は)ハンドボールと陸上、障害者スポーツをつなぐ存在。頑張っていい走りを見せてほしい」とエールを送る。

パリ大会の出場種目は31日の女子400メートルをはじめ、9月3日の女子100メートル、同6日の400メートルユニバーサルリレーの3種目。

大会前に「この舞台に立てることに感謝し、気を引き締めてレースに備えたい」と語った辻選手。東京大会で味わった悔しさは、今大会で晴らすつもりだ。



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