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台風被災体験を共有 茨城大生や町民意見 茨城・大子

水害の記憶を発表し合う参加者=大子町大子
水害の記憶を発表し合う参加者=大子町大子


2019年10月の東日本台風(台風19号)で久慈川などが氾濫し大きな被害を受けた茨城県大子町で、茨城大の学生らが行った聞き取り調査を基に、被災体験を語り伝え合うワークショップが、防災の日の1日、同町大子の町文化福祉会館まいんで開かれた。

同大人文社会科学部の伊藤哲司教授(社会行動論)とゼミ生らは、被災体験を広く共有し、防災意識を高める活動を行っている。昨年秋から町民約30人に調査を行い、象徴的な言葉を拾い出した。

聞き取りでは水郡線の鉄橋崩落を「いくら見ても鉄橋がない」と振り返ったり、苗から育ててきたリンゴの木が打撃を受け「農家ってやっぱり、忍耐強くないとできない」と吐露したりするなど、当事者の切実な声が集まった。

町民や学生ら約20人が参加し、聞き取りで得た声を基に意見を出し合った。被害の大きかった町中心部の地図を示し、川にまつわる楽しい思い出や昔の町のにぎわいを語ってもらい、今後のまちづくりにも触れてもらった。

同大3年の飯島美月さん(20)は「記憶を基に語り合い、被害を経験していない私たちも共感できた。繰り返し言い伝え、防災について考えていこうと思った」と述べた。伊藤教授は「たくさんの語りが今後のまちづくりにつながり、未来に向かう力になってほしい」と話した。

今回紹介された町民の声や水害の様子を撮影した同町在住の高瀬一仁さんの写真が、18日まで同所で展示されている。



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