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筑波大病院 バースセンター刷新 出産後も快適ケア 病床倍増、全て個室 茨城・つくば

リニューアルされたつくば市バースセンターの個室。医療機器は目立たないようにクローゼット(右奥)に収納される=つくば市天久保
リニューアルされたつくば市バースセンターの個室。医療機器は目立たないようにクローゼット(右奥)に収納される=つくば市天久保


筑波大付属病院(茨城県つくば市天久保)の院内助産システム「つくば市バースセンター」がリニューアルし、予約受け付けを始めた。病床数を従来の6床から12床に増床し、12床全てを陣痛から出産、回復期までを同じ部屋で過ごせる「LDR」と呼ばれる個室にした。家族の立ち会い出産もできる。同病院は「人口が増加するつくば市で安心して出産できる環境整備の一助になれば」と話している。

バースセンターは、妊産婦が主体的に出産、育児に臨めるように助産師が中心となって出産を主導する施設。出産に関するリスクが低い健康な妊産婦が利用の対象で、出産の時は産科医師が立ち会い、安全性を確保する。

同病院はハイリスク出産に対応する総合周産期母子医療センターだが、市の協力を得て2013年9月から周産期の病床35床のうち6床を使って運用を開始。今回新たに病院B棟6階に専用フロアを整え、専属の助産師15人を配置した。施設整備に当たり、市は約3億円を寄付している。

部屋は2タイプあり、どちらも広さ約30平方メートル。内装は木目調で、落ち着いた雰囲気で出産できる。緊急時に必要となる医療機器は、目立たないようにクローゼット内に収納してある。

ベッドは分娩(ぶんべん)台としての機能を併せ持ち、室内はシャワー、トイレ、冷蔵庫などを完備。出産後も約5日間は新生児と快適に過ごすことができる。

通常、出産を控えた妊婦は陣痛の間は陣痛室、出産の際は分娩室と、自力で移動する。LDR(Labor=陣痛、Delivery=分娩、Recovery=回復)は陣痛から出産まで同じ部屋で過ごせるため、妊婦の体力的な負担が軽減される。

同じ建物の5階にはNICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児回復室)もあり、出産の緊急時にはすぐに移動できるように動線を確保した。

現在、つくば市内で出産を行う医療機関は4施設で、同県水戸市の9施設に対して少ない状況。同病院では現在、年間約1000人の出産があるが、今回の新センター開設により、約1300人まで対応可能となる。

同大医学医療系の浜田洋実教授は「大学病院としての充実した設備、人材で安全性を確保している。つくば市で暮らす母親のお産を全力でサポートしていきたい」と話している。



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